ポロヌプリ山

ポロヌプリ山（ポロヌプリざん）

北海道北部の枝幸郡枝幸町と枝幸郡中頓別町という二つの町境に跨がる標高841メートルの山。

概要

北見山地の北部に位置するこの山は、その特徴的な地形と歴史で知られています。山頂部は石灰岩質で構成され、二つの峰が並ぶ双耳峰をなしています。この石灰岩地質の影響か、山頂周辺ではミヤマノギクをはじめとする珍しい高山植物が見られます。

また、ポロヌプリ山の西側山麓には、石灰岩が雨水によって侵食されてできたカルスト地形が広がっており、そこには多数の鍾乳洞が存在します。中でも特に有名なのが中頓別鍾乳洞で、これは日本国内で最も北に位置する鍾乳洞として特筆されます。

歴史的な側面としては、明治時代にこの山周辺で砂金が発見されたことで、一時的に活況を呈したゴールドラッシュの舞台となりました。しかし、この砂金の産出は短期間に終わり、わずか4年ほどで枯渇してしまったと伝えられています。現在、この山での砂金採掘は行われていませんが、山の北部、珠文岳の山麓にある「ウソタンナイ砂金採掘公園」では、当時の賑わいを偲ばせる砂金掘り体験が可能となっており、観光資源の一つとなっています。

山名の「ポロヌプリ」は、アイヌ語で「ポロ・ヌプリ」すなわち「親なる山」を意味する言葉に由来しており、この地域における山岳信仰や文化的背景をうかがわせます。漢字で表記される際は「幌登山」と記されることがあります。なお、北海道内には、興部町と西興部村の境に位置するポロヌプリ岳という、非常によく似た名称の山が存在するため、混同しないよう注意が必要です。

登山

ポロヌプリ山には、一般に整備された登山道が存在しません。このため、夏季に登山を試みる場合は、密生したハイマツやその他の樹木による深い藪のため、進行が困難となる「藪漕ぎ」が避けられません。このような状況から、積雪が残る春先などの残雪期が主要な登山時期とされています。残雪期であれば、雪に覆われた斜面を利用して比較的容易に山頂を目指すことができます。

山頂に至るルートは一つだけでなく、複数の経路が考えられますが、北見幌別川の支流であるパンケナイ川沿いから入山するルートが、比較的よく利用される一般的なコースとされています。ただし、いずれのルートを選択するにしても、登山道の無い山であるため、地形の読解能力や経験、十分な装備、そして安全への配慮が不可欠です。

脚注

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（注釈：本文中の情報は、辞書項目として一般的に知られている事柄に基づいています。）

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