ポーギー (潜水艦)

USSポーギー(SS-266):

ガトー級潜水艦「ポーギー (USS Pogy, SS-266)」は、第二次世界大戦において太平洋で活躍したアメリカ海軍の潜水艦です。艦名は、ニシン科の小型魚アトランティック・メンハーデンに由来します。特筆すべきは、その戦歴と数々のエピソードでしょう。

起工から最初の哨戒まで

1941年9月15日にウィスコンシン州で起工された「ポーギー」は、1943年1月10日にジョージ・H・ウォーレス少佐の指揮下で就役しました。整調後、真珠湾に到着し、4月15日に最初の哨戒で日本近海へと向かいました。

太平洋での哨戒

「ポーギー」は合計10回の哨戒に出撃し、その多くで戦果を挙げました。最初の哨戒では、特設砲艦「京津丸」を撃沈。その後も輸送船などを撃破し、日本近海での活動を活発化させました。

第1の哨戒 (1943年4月 - 6月)

日本近海での哨戒で、5月1日に輸送船団を発見し、「京津丸」を撃沈。5月2日にはサンパンを砲撃で撃沈。5月9日には輸送船「宇洋丸」を撃破。5月26日には輸送船「太南丸」を撃沈。

第2の哨戒 (1943年6月 - 8月)

トラック諸島方面へ向かい、日本本土とトラック間の航路を哨戒。8月1日には特設航空機運搬艦「最上川丸」を撃沈。

第3の哨戒 (1943年9月 - 12月)

パラオ方面へ向かい、10月1日には陸軍輸送船「前橋丸」を撃沈。12月8日には特設運送船「総洋丸」を撃沈。

第4の哨戒 (1943年11月 - 12月)

パラオ方面で輸送船団を攻撃し、陸軍輸送船「福海丸」を撃沈。しかし、護衛艦からの爆雷攻撃を受け損傷。

第5の哨戒 (1944年1月 - 3月)

台湾近海でモタ01船団を攻撃し、駆逐艦「峯風」と輸送船「まるた丸」を撃沈。2月20日には輸送船「大仁丸」と「南洋丸」を撃沈。2月23日には輸送船「宝嶺丸」と「帝坤丸」を撃沈。

第6の哨戒 (1944年4月 - 5月)

日本近海で潜水艦「伊183」を撃沈。5月5日には海軍徴傭船「白根丸」を撃沈。5月13日には海軍徴傭船「安房丸」を撃沈。

第7、第8の哨戒 (1944年10月 - 1945年2月)

敵艦船との遭遇はなく、攻撃機会もなかった。

第9の哨戒 (1945年3月 - 5月)

東京湾口方面での艦船攻撃と、B-29のクルー救助任務に従事。4月19日には誤爆を受け、艦橋に被弾。4月29日にはB-29のクルー10名を救助。

第10の哨戒 (1945年7月 - 8月)

日本海での哨戒で、7月27日に輸送船「筑前丸」を撃沈。8月5日には輸送船「琴平山丸」を撃沈。終戦を択捉島近海で迎える。

戦後の「ポーギー」

第二次世界大戦終結後、「ポーギー」は1946年7月20日に予備役となり、1958年9月1日に除籍されました。総撃沈トン数は62,633トンに上り、第二次世界大戦の戦功で8個の従軍星章を受章しました。

2代目「ポーギー」の就役

退役から25年後には、スタージョン級原子力潜水艦5番艦として2代目「ポーギー (SSN-647)」が就役しています。

まとめ

「ポーギー」は、太平洋戦争において数々の戦果を挙げた潜水艦でした。その活躍は、アメリカ海軍の潜水艦戦史に深く刻まれています。また、本艦の乗組員たちの勇気と決断は、後世に語り継がれるべきでしょう。

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