ポート・ロイヤル (ミサイル巡洋艦)

ポート・ロイヤル (USS Port Royal, CG-73)

ポート・ロイヤルは、アメリカ海軍のミサイル巡洋艦で、タイコンデロガ級に属する艦の一つです。この艦は、20世紀に建造されたアメリカ海軍最後の巡洋艦として知られており、さらに女性乗組員が乗艦した初めての巡洋艦でもあります。その名前は、南北戦争とアメリカ独立戦争の海戦が行われたサウスカロライナ州のポート・ロイヤル湾から取られています。

艦歴

ポート・ロイヤルの建造は1991年10月18日、ミシシッピ州パスカグーラのリットン・インガルス造船所で始まりました。1992年11月20日に進水し、1994年7月9日、ジョージア州サヴァナで正式に就役しました。就役時に艦名を由来とした「スーザン・G・ベーカー」にその命名が行われ、その後の歴史において多くの重要な任務を遂行しました。

ポート・ロイヤルは、1996年には「ニミッツ」空母戦闘群の一員として展開を開始し、サザン・ウォッチ作戦に参加しました。その中で、第三次台湾海峡危機に関連する地域の安定を保つために南シナ海に派遣されました。1997年には再びニミッツ空母戦闘群としてサザン・ウォッチ作戦に参加し、1998年3月に帰還を果たしました。

二度目の配備では「ジョン・C・ステニス」空母戦闘群に加わり、サザン・ウォッチ作戦においても大きな役割を果たしました。しかし、その後、イラクから石油を密輸していた疑いのある船舶を追跡中に主軸が損傷し、艦は1998年7月に帰還し、修理を受けることとなります。

ポート・ロイヤルは、2001年11月17日に真珠湾から出港し、再びステニス空母戦闘群に参加します。続いて、2008年5月には「タラワ」遠征打撃群の一員として半年間に渡る「テロとの闘い」の任務を無事に終えました。しかし、2009年2月5日、ホノルル国際空港沖合での座礁事故が発生。海軍は救難作業を行いましたが、作業は困難を極め、9日にようやく艦の離礁に成功しました。この事故によってサンゴ礁が損傷を受け、艦はパール・ハーバー海軍工廠で修理を行うこととなりました。

この座礁事故の影響でポート・ロイヤルの退役が早まることが予想されましたが、議会の反対によりそれは回避されました。ポート・ロイヤルは、2015年には他の艦船とともに「休息状態」に置かれました。計画としては、2026年までに近代化改修を行い、その年に退役予定の「チャンセラーズヴィル」と入れ替わる形で復帰する見込みでしたが、2022年9月29日に正式に退役しました。

このようにポート・ロイヤルは、アメリカ海軍の歴史の中で重要な役割を果たし、様々な任務を遂行した艦船として記憶されています。

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