ポーラ (重巡洋艦)

軽巡洋艦ポーラの概要

ポーラは、イタリア海軍が保有する重巡洋艦の一隻であり、1932年に就役しました。名前の由来は、現在のクロアチア・プーラにあたる都市名にちなんでいます。ポーラはザラ級の3番艦であり、建造はOdero-Terni-Orlando造船所で行われました。この艦は、指揮艦としての特性を持ち、提督の幕僚を乗せられるよう艦橋を拡張しています。

ポーラは、8門の203mm主砲を搭載し、最高速力は32ノットに達する能力を持っていました。重巡洋艦として、ポーラは艦隊改編において重要な役割を果たし、1940年7月のカラブリア沖海戦や11月のスパルティヴェント岬沖海戦では戦隊を率いて日本の艦艇との接触や交戦を経験しています。

設計と性能

ポーラの設計は、特に艦隊の指揮艦として機能するよう計画されました。総長は182.8m、幅は20.62m、喫水は7.2mで、満載時の排水量は13531トン。ワシントン海軍軍縮条約の規定を受け、名目上の排水量は10000トンに収められています。

艦の推進システムは、パーソンズ蒸気タービン2基と重油燃焼式のヤーロー缶8基からなり、合計95000軸馬力を叩き出して32ノットの速度を誇ります。乗員数は841人で、特に艦の前部構造物が大きく設計されています。ポーラは412mmの装甲帯を持ち、砲塔や司令塔にも150mmの厚さを誇る装甲が施されています。

初期の艦歴

ポーラは、1931年に起工し、1932年にリヴォルノで艤装工事を終えた後、正式に就役しました。就役後、ポーラは海軍の観艦式に参加し、一度はイタリアのファシスト党の独裁者であるベニート・ムッソリーニとも接触しました。1936年にはスペイン内戦に関連して不干渉運動を展開し、その後も様々な活動を続けました。

第二次世界大戦とマタパン岬沖海戦

1940年6月10日、ポーラは第2戦隊の旗艦となり、複数の作戦に従事。イギリス軍との戦闘が続く中、ポーラは特に戦闘での指揮を担う立場にありました。同年7月のカラブリア沖海戦では交戦が行われ、短いながらもイギリス重巡洋艦ベリックとも交戦しています。

1941年3月にはマタパン岬沖海戦に参与し、ここでイギリス軍による空襲を受けて戦闘不能となりました。その後、深夜の混乱の中で艦は攻撃を受け、沈没に至ります。艦に搭載されていた328人の士官および兵士が命を落とし、ポーラの艦歴はここに終止符を打ちました。

結論

ポーラの艦歴は、イタリア海軍の重巡洋艦としての役割や戦局において重要な位置を占めていました。艦が最後に迎えた沈没は、第二次世界大戦の複雑な戦闘状況の中での悲劇の一つとして記憶されています。

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