マイカルタウン

マイカルタウン：一大ショッピングモール群の興亡

マイカルタウンは、かつて株式会社マイカルが全国各地に展開していた大規模ショッピングモールです。1989年、横浜市本牧に開業したマイカル本牧を皮切りに、その勢力を拡大しました。アメリカの大型ショッピングセンターをモデルに、健康で快適な生活を提案する空間として設計されたこれらの施設は、地域社会に大きな影響を与えました。

施設の特徴と構成

マイカルタウンの特徴は、サティやビブレといった大型核店舗を擁し、シネマコンプレックス、スポーツクラブ、フードテーマパークなどを一体的に配置した複合商業施設である点にあります。他社の大型商業施設と比較して、核店舗の占める面積比率が大きく、その存在感が際立っていました。多くの施設は複数の棟から成り、各棟には「○番街」という番号が付けられていました。「4番街」と「9番街」は、多くの施設で欠番とされていました。近江八幡店のように、ビブレの出店がない店舗もありました。

イオンへの統合とその後

2011年3月1日、マイカルがイオンリテールに吸収合併されたことで、マイカルタウンの名称は消滅しました。「イオン○○ショッピングセンター」へと改称され、核店舗のサティも「イオン」ブランドへと統一されました。多くの施設は、2013年11月1日にイオンモール株式会社に移管され、運営体制が変更されました。マイカル本牧は「イオン本牧」として営業を継続していますが、他の店舗では、建物の解体・売却、規模縮小などが行われ、その姿は大きく変化しました。

閉鎖された店舗と未実現の計画

マイカル小樽（現：ウイングベイ小樽）は、マイカルタウンの中でも最大規模を誇り、当時は日本最大級の複合商業施設でした。しかし、マイカルの経営破綻後、名称変更を経て現在に至っています。また、マイカル大連は中国・大連市に進出した海外店舗でしたが、マイカル破綻後、大連市の大商グループに売却されました。

一方、盛岡、浦和、大垣、なんば、三田、西宮、新座など、様々な地域でマイカルタウンの出店計画がありましたが、実現しなかった計画も多く存在します。これらの計画は、マイカルの経営破綻や、土地開発の遅延、競合他社の進出など様々な要因によって頓挫しました。盛岡では、計画されていたマイカル盛岡の代わりに、イオン盛岡ショッピングセンター（現：イオンモール盛岡）が、別の場所に建設されたことは興味深い事実です。これらの計画の是非や、実現した場合の影響を現在考えることは難しいですが、当時のマイカルの野心的で積極的な姿勢を伺い知ることができる事例です。

まとめ

マイカルタウンは、日本における大規模ショッピングモールの発展に大きな足跡を残しました。その繁栄と衰退は、時代の変化や企業経営の難しさ、そして地域社会との関わりを改めて考えさせる、興味深い歴史です。イオンへの統合後も、多くの施設がイオン系列として営業を続けていることは、マイカルタウンの遺産が今もなお、人々の生活に密着している証と言えるでしょう。

もう一度検索