ウイングベイ小樽

ウイングベイ小樽：複合商業施設の変遷と再生

ウイングベイ小樽は、北海道小樽市築港地区に位置する大型複合商業施設です。その歴史は、1990年代の小樽市のウォーターフロント開発構想に端を発します。小樽築港駅の貨物ヤード跡地を再開発し、かつては「マイカル小樽」として、日本最大級の規模を誇る商業施設として開業しました。

マイカル小樽としての誕生

1985年、小樽市は小樽港港湾計画において、小樽築港駅周辺地区の土地利用を見直すことを決定しました。そして、民間活力を導入したウォーターフロント開発を計画します。1990年に小樽市がマイカルグループと再開発について協議を開始し、翌年にはマイカルグループがJR北海道などから出資を受け、株式会社小樽ベイシティ開発を設立しました。1999年には、複合商業施設「マイカル小樽」が開業。小樽築港駅と直結し、隣接するホテル（現グランドパーク小樽）とも連絡通路で結ばれました。

経営破綻と再生への道のり

しかし、2001年にマイカルが経営破綻。その連鎖により、小樽ベイシティ開発も民事再生法を申請し、負債総額は約492億円に達しました。その後、2003年に施設名を「ウイングベイ小樽」と改称し、新たなスタートを切りました。しかし、固定資産税の滞納問題や、誘致したホテル（旧ヒルトン小樽）の経営破綻など、困難な状況が続きました。

その後も、債権処理や経営再建に向けた様々な取り組みが行われました。企業再生ファンドの支援を受け、2度の民事再生法申請を経て、債務圧縮と経営再建が進められています。

ウエルネスタウン構想と小樽市の支援

近年、ウイングベイ小樽は「ウエルネスタウン」としての再生を目指しています。2020年には済生会北海道支部と連携協定を結び、医療・福祉施設の誘致や健康増進事業の展開を進めています。2025年には小樽市保健所と小樽市総合福祉センターがウイングベイ小樽に移転することが決定しており、地域に貢献する施設としての役割が期待されています。

施設概要

ウイングベイ小樽は、ホテル、映画館、スーパー、ホームセンター、多数の専門店で構成されています。

主なテナント:

1番街: スーパービバホーム、ハニーズ、ヴィレッジヴァンガード、無印良品、フードコート
2番街: スーパービバホーム、ABCマート、ニトリ、イオンシネマ小樽
3番街: ドコモショップ、auショップ、ソフトバンクショップ、ライトオン、ダイソー
5番街: 鮨処魚一心、サーティワンアイスクリーム、ココカラファイン、カフェ可否茶館
6番街 (イオン): マクドナルド、コムサイズム、キャンドゥ、マリンベルwithだがし夢や、ヤマダデンキ テックランド

アクセス

鉄道: JR小樽築港駅直結
バス: 北海道中央バス「ウイングベイ小樽」バス停など
自動車: 札樽自動車道小樽ICからすぐ

ウイングベイ小樽は、時代の変化とともにその姿を変えながら、小樽市のランドマークとして存在し続けています。今後のウエルネスタウンとしての発展が期待されます。

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