マイカル九州

株式会社マイカル九州：九州におけるサティの歴史とイオンとの統合

株式会社マイカル九州は、イオングループに属し、かつて九州地方（福岡県の一部店舗と沖縄県を除く）で「生活百貨店サティ」を展開していた総合小売企業でした。福岡市博多区に本社を置き、2007年8月21日にイオン九州株式会社に吸収合併されるまで、九州の地域経済に貢献しました。本稿では、合併直前までのマイカル九州の歴史と概要を詳しく解説します。

マイカル九州の設立と発展

1970年1月、ニチイ、寿屋、東美の共同出資により、株式会社九州ニチイ（旧）が設立されました。しかし、出店計画をめぐる意見対立により、1973年8月には寿屋などが資本離脱。その後、ニチイ衣屋水俣店（1983年閉店）やニチイ天草本渡店（1998年閉店）などの閉店を経て、1984年3月には株式会社九州ニチイ（新）に商号変更されました。1986年3月には株式会社ニチイ九州事業部と統合し、1996年7月には株式会社マイカル九州へと商号変更されました。2000年には株式会社マイカル南九州と合併し、事業規模を拡大しました。

経営破綻とイオンによる支援

2001年9月、マイカル九州は経営破綻し、民事再生手続きを開始しました。その後、会社更生法による更生手続きに移行し、スポンサー選定がなされました。イズミも名乗りを上げましたが、最終的にはイオンがスポンサーとなり、イオンの支援の下で再建を進めました。2004年7月2日にはイオン商品券とマイカル商品券の相互利用を開始するなど、着実に再建を進め、2005年2月4日には更生手続きが終了しました。更生計画認可決定後、2007年3月8日には福岡市早良区に原サティを開業。これは更生手続き終了後初めての出店となり、九州地区におけるサティとしては最後の新規出店となりました。

イオン九州への吸収合併とその後

2007年8月21日、マイカル九州はイオン九州に吸収合併されました。これにより、サティの建物外壁にあった「MYCAL」ロゴは撤去され、「ÆON」ロゴに変更されました。ただし、原サティは当初から「ÆON」ロゴのみでした。合併後、サティ店舗は順次イオンへ転換されていきました。例として、大野城サティはイオン大野城店、福岡東サティはイオン福岡東店などに改称されました。しかし、全ての店舗がイオンとして存続したわけではなく、2009年3月20日には大分サティ、2016年3月10日には姶良サティ（移転）、2017年8月31日には徳力サティ、2019年1月31日には原サティ、2019年2月28日には上峰サティが閉店しています。

マイカルカードとサティカード

マイカル九州では、以前はポケットカード（旧マイカルカード）が発行する「マイカルカード」が利用できましたが、2006年4月30日をもって提携を解消。その後、イオンクレジットサービスが「サティカード」を発行し、毎月15日・25日を「サティカード感謝デー」としました。2007年5月には、感謝デーが毎月20日・30日の「お客さま感謝デー」に変更され、サティカードはイオンカードに統合されました。これにより、イオンカードはサティ、ビブレ、ジャスコ、マックスバリュ、メガマート、イオンスーパーセンター、ミニストップ、カルフールなどの店舗で利用できるようになりました。

関連企業

マイカル九州と関連の深い企業としては、九州以外のサティやビブレを運営していたマイカル（現イオンリテール）、北海道でサティを運営していたポスフール（現イオン北海道）などが挙げられます。これらの企業も、マイカルの経営破綻やイオンとの関係性を経て、現在はイオングループの一員として活動しています。

まとめ

マイカル九州は、その歴史の中で数々の変遷を経験しました。ニチイを起源とする企業が、会社更生手続きを経てイオングループに吸収合併されるまで、数多くのサティ店舗を九州地方に展開し、地域経済に大きな影響を与えました。イオンへの統合は、マイカル九州の歴史に終止符を打ちましたが、その歴史は、日本の小売業の歴史の一ページとして、後世に語り継がれることでしょう。

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