マウント・オリンパス (揚陸指揮艦)

USSマウント・オリンパス(AGC-8)とは

USSマウント・オリンパス (AGC-8) は、アメリカ海軍の揚陸指揮艦であり、マウント・マッキンリー級の2番艦として建造されました。艦名はワシントン州にそびえるオリンパス山に由来します。第二次世界大戦を中心に、多岐にわたる任務に従事しました。

艦歴

第二次世界大戦

1943年8月3日にノースカロライナ州ウィルミントンのノースカロライナ造船社で起工。当初は輸送船エクリプスとして進水しましたが、後に揚陸指揮艦として改名され、1944年5月24日にジョン・ヘンリー・シュルツ大佐の指揮下で就役しました。

就役後、パナマ運河を経由して太平洋に進出。1944年10月20日にはレイテ湾に到着し、侵攻軍の洋上司令部として機能しました。上陸部隊は絶え間ない航空攻撃にさらされましたが、レイテ沖海戦でのアメリカ軍の勝利により、その安全が確保されました。

その後、フィリピン攻撃の準備に従事し、1945年1月9日からのリンガエン湾作戦に参加。ウルシー環礁で第3水陸両用部隊司令官を降ろし、オーバーホールのためサンフランシスコに入港しました。オーバーホール後、グアムへ向かう途中で給油艦と衝突する事故に見舞われましたが、工作艦による修理を受け、終戦直後の9月1日には、陸軍第1騎兵師団と共に東京湾に到着しました。

終戦後は、フィリピンや他の地域からアメリカ兵を日本へ移動させる任務に約8ヶ月間従事し、1946年7月7日にニューヨークに帰還しました。

戦後

1946年9月には、海軍の南極探査プロジェクト「ハイジャンプ作戦」の旗艦となりました。1947年1月16日、中央グループと共にホエールズ湾に到着し、2月11日にグループを離脱、4月17日にノーフォークに帰投しました。

その後、第2水陸両用群旗艦として、カリブ海や東海岸沿岸で訓練を実施。1951年6月21日には、在東大西洋・地中海米海軍最高司令官/在南欧米海軍最高司令官(CINCNELM/CINCSOUTH)の一時的な旗艦となりました。

旗艦任務を同級のアディロンダックに譲った後、1952年にはNATOの海軍演習「メインブレイス」や「ロングス」に参加。1953年にはヘリコプター甲板が追加される改修を受けました。

1954年には、遠距離早期警戒線（DEWライン）プロジェクトの一環として北極海に進出しましたが、アラスカ州ポイント・バロー付近で氷に閉じ込められる事態が発生。砕氷船によって救出されましたが、損傷を受けたため修理を受けることとなりました。1955年10月31日に不活性化処分のためにメア・アイランド海軍造船所へ回航。

1956年4月4日に退役し、1961年6月1日に米艦籍から削除。1966年には連邦海事局に移管され、国防予備船隊の1隻としてカリフォルニア州サスーン湾に係留されましたが、1973年にスクラップとして処分されました。

USSマウント・オリンパスは、その艦歴において2つの従軍星章を受章しています。

参考

この記事には、アメリカ合衆国政府の著作物であるDictionary of American Naval Fighting Shipsに由来する文章が含まれています。

外部リンク

history.navy.mil: USS Mount Olympus
navsource.org: USS Mount Olympus

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