マキロン

マキロン：家庭用外傷消毒薬の代名詞

マキロンは、第一三共ヘルスケア（旧ゼファーマ）が製造・販売する外傷消毒薬および皮膚用薬のブランドです。1971年に山之内製薬（現アステラス製薬）から発売され、それまで一般的だったマーキュロクロム液（赤チン）に代わり、外傷消毒薬の代表的な製品として広く使用されています。

製品の概要

主力製品である「マキロンs」は、殺菌成分である塩化ベンゼトニウムを主成分とし、組織修復剤（アラントイン）と抗ヒスタミン剤（クロルフェニラミンマレイン酸塩）を配合した医薬品です。無色透明の液体で、傷口を清潔に保ち、炎症やかゆみを抑える効果があります。

従来の「マキロン」は、殺菌成分と抗ヒスタミン剤に加え、局所[[麻酔薬]]（ジブカイン塩酸塩）と血管収縮剤（ナファゾリン塩酸塩）を含んでいましたが、組織修復剤は含まれていませんでした。発売当時、マーキュロクロム液は有機水銀を含み、患部が赤くなるという欠点がありましたが、マキロンは「色がつかず、しみない消毒薬」として瞬く間に普及しました。直接患部に触れずに、洗い流したりスプレーで消毒できる点も特徴です。

製品名は、マーキュロクロムから「マキロ」を取り、語呂の良い「ン」を付けたもので、発売当初は「白チン」とも呼ばれました。現在ではあまり使われませんが、外傷消毒液の代名詞として、他社の類似製品も「マキロン」と呼ばれることがあります。

歴史

マキロンは、時代のニーズに合わせて製品ラインナップを拡充してきました。

1971年：山之内製薬が「マキロン」を発売
1986年：「マキロンかゆみ止めパッチ」を発売
1997年：「マキロン」をリニューアル（安全キャップ付き）
1998年：デキサメタゾン酢酸エステル配合の「マキロンかゆみどめ液」「マキロンパッチエース」を発売
2000年：コンビニ向け「マキロン プチA」、エアゾールタイプの「マキロン ジェット&スプレー」を発売
2006年：「マキロンs」を発売（成分・キャップ改良）

その後も、かゆみ止めジェル、キズ軟膏、虫よけスプレー、ニキビ治療薬など、多様な製品を展開しています。

主な製品

現在販売されている主な製品は以下の通りです。

殺菌消毒薬
マキロンs：液タイプ
マキロンs ジェット&スプレー：ダブルスプレータイプ
マキロンs キズ軟膏：軟膏タイプ
マキロン（販売名：マキロン プチA）：指定医薬部外品
鎮痒消炎薬
マキロンかゆみどめ液P：液タイプ（ピカチュウデザイン）
マキロンかゆみどめパッチP：パッチタイプ（ピカチュウデザイン）
マキロンパッチエース：パッチタイプ
ニキビ治療薬
マキロン アクネージュ メディカルクリーム：クリームタイプ
マキロン アクネージュ メディカルローション：ローションタイプ

製品キャラクター

マキロンの製品キャラクターとして、擦り傷をした男の子「マキロン坊や」がいます。また、かゆみ止めシリーズには「かゆみちゃん」というキャラクターが存在します。

マキロンは、長年にわたり家庭の常備薬として、私たちの健康をサポートしてきました。これからも、時代の変化に対応しながら、より良い製品を提供し続けてくれることでしょう。

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