マクタブ・アル＝ヒダマト

マクタブ・アル＝ヒダマト（MAK）は、1984年にアブドゥッラー・アッザームとウサーマ・ビン＝ラーディンによって設立された組織です。この組織は、ソビエト連邦によるアフガニスタン侵攻に対抗するために、アラブ人ムジャーヒディーンの戦闘員を確保し、財政基盤を確立することを目的としていました。また、「アフガンサービス局」という名称でも知られています。

概要

MAKは、ソ連軍のアフガニスタン侵攻に対抗する義勇兵として、約100のムジャーヒディーン集団を創設しました。この活動のために、アラブ諸国だけでなく西欧や北米からも200万ドルの資金を調達しました。また、アメリカ中央情報局（CIA）を通じてパキスタン軍統合情報局（ISI）やサウジアラビア総合情報庁（GIP）から直接的な支援も受けていました。MAKは、ムジャーヒディーンのアフガニスタンへの渡航費など、必要な費用をすべて支給していました。

しかし、アフガニスタンからソ連軍が撤退する頃になると、MAK内部でアブドゥッラー・アッザームとアイマン・ザワーヒリーの間で路線の対立が表面化しました。ザワーヒリーらエジプト・イスラム・ジハード団（EIJ）から合流したムジャーヒディーンは、MAKを世界各地にイスラム国家を樹立するためのジハード組織として利用しようとしました。一方、アッザームは、MAKの資金と組織はまずアフガニスタンでのイスラム国家建設のために使われるべきだと主張しました。

1989年11月、MAKの創設者であるアッザームは何者かによってペシャーワルで爆殺され、組織のトップにはナンバー2であったウサーマ・ビン＝ラーディンが就任しました。ビン＝ラーディンはアッザームの方針を支持していましたが、その後MAKの路線はEIJの考えに沿って進められ、MAKはアルカーイダへと改組されました。

MAKとアメリカ

MAKは西側の多くの国に連絡事務所を置いていました。アメリカは主要な拠点であり、ニューヨーク市ブルックリンとアリゾナ州ツーソンに最初に事務所が開設されました。アッザームは対ソ戦のための資金集めのためにアメリカ各地のモスクを訪問しました。最終的に、MAKの事務所は全米33都市に設置されました。ブルックリンでのアッザームとの連絡を担当していたムスタファー・シャラビーは、1991年11月にアパートで暗殺されました。反アッザーム派のオマル・アブドッラフマーンらの犯行とされています。

関連項目

* イスラム原理主義

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