マジック・バス〜ザ・フー・オン・ツアー

『マジック・バス〜ザ・フー・オン・ツアー』は、イギリスのロックバンド、ザ・フーが1968年にアメリカでリリースしたコンピレーション・アルバムです。全米アルバムチャートで39位を記録しました。

このアルバムは、ザ・フーにとって初のコンピレーション・アルバムという位置づけですが、アメリカのデッカ・レコードがメンバーの許可なく編集したもので、彼らの意向は一切反映されていません。ピート・タウンゼントは、このアルバムを「アメリカのレコード会社がやらかす最悪なことの中でも極め付け」と痛烈に批判しています。

アルバムタイトルの「オン・ツアー」は、ザ・フーが1967年に行った初のアメリカ・ツアーに由来しています。発売当時はライブ・アルバムと誤解されることもありました。

収録曲は全11曲で、シングルのA面曲は「マジック・バス」と「リリーのおもかげ」の2曲のみで、どちらもオリジナル・アルバムには未収録です。残りの9曲は、EP『レディ・ステディ・フー』から2曲、セカンド・アルバム『ア・クイック・ワン』から1曲、サード・アルバム『セル・アウト』から2曲、そしてシングルのB面収録曲が4曲となっています。

シェル・タルミーがプロデュースし、ブランズウィック・レコードから1965年に発表された楽曲は、デビュー・アルバム『マイ・ジェネレーション』の収録曲を含めて1曲も収録されていません。

モノラル盤とステレオ盤の両方が発売されましたが、ステレオ盤でも実際にはモノラルで収録されたものが多く、リアル・ステレオで収録されたのは4曲のみです。

1974年には、アメリカ版のデビュー・アルバム『The Who Sings My Generation』（1966年）とカップリングされた2枚組LP盤が発売されました。1988年にはMCAレコードから再発CDが発売され、2007年には日本でオリジナルマスターを使用した紙ジャケット仕様の復刻版CDが限定発売されました。

参加ミュージシャン

ロジャー・ダルトリー - リード・ヴォーカル (#1, #2, #6, #7, #8, #11)
ピート・タウンゼント - ギター、キーボード、ヴォーカル、リード・ヴォーカル (#4, #5)
ジョン・エントウィッスル - ベース・ギター、金管楽器、ヴォーカル、リード・ヴォーカル (#3, #9)
キース・ムーン - ドラムス、リード・ヴォーカル (#10)

収録曲

収録曲についてはここでは割愛します。

『マジック・バス〜ザ・フー・オン・ツアー』は、ザ・フーの意向とは異なる形で制作されたアルバムではありますが、彼らの初期の楽曲を幅広く聴くことができる作品として、現在でも多くのファンに親しまれています。

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