マズィル市電

マズィル市電の概要

マズィル市電（Мазырскі трамвай）は、ベラルーシの都市マズィルを走る路面電車です。この路面電車は、ソビエト連邦時代の1988年に開通したものであり、現在でも地域の重要な公共交通手段として利用されています。運営は、マズィル製油所の路面電車管理部門が行っています。

歴史的背景

路面電車の建設計画は1973年に開始され、その年から実際の工事が始まりました。しかし、予算不足や計画の遅れにより、一時期凍結されてしまいました。1984年に新たな決議が下され、1986年1月には工事が再開されることになります。そして、1988年8月1日に営業運転が開始され、長年待ち望まれていた路面電車がいよいよ市民の生活に役立つこととなりました。

路線の特徴

マズィル市電の路線は全長約20キロメートルで、最高時速60キロメートルでの運行が可能な設計になっています。すべての軌道は道路と分離されており、専用の複線が敷かれています。停留所は20箇所設けられており、全区間を通しての所要時間はおよそ40分です。運賃は区間によって異なり、市内の基本料金は0.5ルーブル、郊外地域への移動は0.58ルーブル、工業地帯との往復の場合は1.33ルーブルです。また、1か月分の定期券も提供されています。

車両について

2024年7月現在、マズィル市電には54両の車両が在籍しており、そのうち営業運転に用いられている47両は全てソ連時代に導入されたKTM-5M3型です。全ての車両は片側に運転台を持ち、路線上には折り返し用のループ線が4箇所設けられています。さらに、44両は連結運転が可能な2両編成で運行されています。これらの車両は老朽化が進んでいるため、ベラルーシのメーカーBKMホールディングが開発した超低床電車T811の導入も進められており、2024年7月31日から最初の車両が営業を開始し、2027年までに28両が追加される予定です。

運行系統

2020年時点では、マズィル市電は1路線しか運行されていませんが、需要に応じて4つの系統があります。ダイヤは月曜日から木曜日、金曜日、週末の3パターンがあり、始発は6時30分、最終列車は24時20分です。特に朝から夕方にかけてのラッシュ時には、列車が集中して運行されています。これにより、工場や発電所の操業時間に合わせたダイヤが組まれており、地域住民の利便性が高まっています。

まとめ

マズィル市電は地域住民にとって欠かせない移動手段となっており、その歴史や特性はこの都市の発展と共に歩んできたものです。今後の車両の新陳代謝と共に、より快適で安全な公共交通の提供が期待されます。

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