マチン科

マチン科 (Loganiaceae) について

マチン科は、双子葉植物に属する科の一つで、主に熱帯地域に分布しています。この科の植物は、木本や草本、そしてつる性のものなど、多様な形態を示します。花の特徴としては、4つまたは5つの花弁を持ち、筒状やラッパ状になるものが多く見られます。また、葉は対生する形が一般的です。

分布と多様性

マチン科の植物は、世界中の熱帯地域を中心に約15属400種ほどが確認されており、日本国内には3属7種が自生しています。この科には、マチン（ストリキニーネを含む）やツボクラリンなど、有毒成分を含む植物が多数存在することが知られています。

分類上の変遷

マチン科は、かつてはフジウツギ科（Buddlejaceae）と同一視されていました。しかし、近年の研究により両科は分離され、マチン科は独立した科として扱われるようになりました。ただし、アイナエ属に関しては、分離当初はフジウツギ科に分類されていたため、文献によっては混乱が見られることもあります。

APG IV分類体系では、マチン科はリンドウ目に位置づけられています。一方、かつてのフジウツギ科は、現在ではゴマノハグサ科やスティルベ科に分割され、シソ目の下という異なる系統に分類されています。

さらに、以前はマチン科に分類されていたAnthocleista属、ゴムミカズラ属（Fagraea）、ゲルセミウム属（Gelsemium）、Mostuea属などは、APG IV分類体系ではそれぞれリンドウ科やゲルセミウム科に移されています。

属の分類

マチン科に属する主な属は以下の通りです。

Antonia - A. ovata 1種のみ
Bonyunia
ホウライカズラ属 Gardneria - チトセカズラ、（リュウキュウ）ホウライカズラ（G. nutans; 別名: リュウキュウチトセカズラ、エイシュウカズラ）
オガサワラモクレイシ属 Geniostoma - オガサワラモクレイシ（G. fagraeoides; シノニム: G. glabrum）、（シマ）モクレイシモドキ（G. rupestre）
Logania
アイナエ属 Mitrasacme - ヒメナエ（M. indica）、アイナエ（M. pygmaea）
Mitreola
Neuburgia
Norrisia
Spigelia - スピゲリア（S. anthelmia）
マチン属 Strychnos - タカラマメ（S. ignatii）、マチン
Usteria - U. guineensis 1種のみ

また、2014年にはオーストラリア産の植物13種からなる新属 Orianthera が記載されました。

参考文献

Hassler, M. (2019). World Plants: Synonymic Checklists of the Vascular Plants of the World
米倉・梶田 (2013-)「BG Plants 和名−学名インデックス」（YList）
* World Flora Online

その他の情報

マチン科の植物は、有毒成分を持つものが多いため、取り扱いには注意が必要です。特にマチン属の植物には、ストリキニーネなどの強力な毒が含まれているため、誤って摂取すると危険です。植物を扱う際には、専門家の指導を受けるか、信頼できる情報源を参照するようにしてください。

これらの情報を参考に、マチン科の植物に対する理解を深めていただければ幸いです。

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