マックスバリュ長野

マックスバリュ長野株式会社は、かつて長野県を拠点にイオングループのスーパーマーケット事業を手掛けていた企業です。本社機能は長野県松本市に置かれていました。イオンリテールの地域における食品スーパー事業を分離・独立させ、地域密着型経営を推進する目的で、2010年2月21日に設立されましたが、最終的には2021年6月1日をもってイオンビッグ株式会社に吸収合併され、その法人格は消滅しました。

設立と事業の変遷

設立当初、マックスバリュ長野は、イオンリテールから長野県内の「マックスバリュ」4店舗と「ジャスコ」4店舗を引き継ぎ、計8店舗で事業を開始しました。これは、イオンリテールが大型総合小売業（GMS）に事業を集中させる一方、地域ごとの特性に合わせた食品スーパー事業を展開するための戦略的な分社化でした。

設立後、同社はディスカウントストア（DS）業態への転換を積極的に進めます。2010年6月12日には、継承したジャスコ新大町店を「ザ・ビッグ信濃大町店」としてリニューアルオープンさせました。これがマックスバリュ長野が運営する「ザ・ビッグ」の1号店となります。同年9月にはジャスコ穂高店を、12月にはジャスコ三郷店をそれぞれ「ザ・ビッグ」に転換しました。

2011年に入ると、この転換はさらに加速します。同年5月にはマックスバリュ松本村井店を、7月にはマックスバリュ茅野店および同一敷地内のメガマート茅野店を「ザ・ビッグ」に転換しました。また、同年8月21日には、イオンリテールのDS事業再編に伴い、「メガマート信州池田店」を吸収分割によって承継します。これにより、一時的に「ザ・ビッグ」と「メガマート」の2つのディスカウントストア業態を運営することになりました。

しかし、この2業態体制は短期間で解消されます。2012年3月9日、隣接していたマックスバリュ信州池田店と承継したメガマート信州池田店を統合・転換し、「ザ・ビッグ信州池田店」としてリニューアルオープンしました。これ以降、マックスバリュ長野が運営するディスカウントストアは「ザ・ビッグ」に一本化されました。同年6月にはマックスバリュ長野東店も「ザ・ビッグ」に転換されています。

既存店の転換だけでなく、新規出店も行われました。2013年4月12日には初の新規店舗となる「ザ・ビッグ佐久インターウェーブ店」を開店。同年7月には「ザ・ビッグ上田中央店」、10月にはマックスバリュ山形店を転換した「ザ・ビッグ山形店」を開店しました。2014年3月7日には、かつてジャスコ長野店があった場所に開業したイオンタウン長野三輪の核店舗として「ザ・ビッグ長野三輪店」をオープン。同年5月17日には「ザ・ビッグ塩尻広丘店」を開店するなど、「ザ・ビッグ」の店舗網を拡大しました。

そして、2014年10月4日、最後まで「マックスバリュ」として運営されていたマックスバリュ白馬店を「ザ・ビッグ白馬店」に業態転換したことにより、マックスバリュ長野が運営する全ての店舗がディスカウントストア「ザ・ビッグ」となりました。これ以降の新規出店（例：2017年6月10日のザ・ビッグ北中込店）も全て「ザ・ビッグ」業態で行われました。

過去に運営していた業態

マックスバリュ長野は、設立当初は「ジャスコ」や「マックスバリュ」といったイオングループの基幹業態を運営していましたが、事業戦略の転換に伴い、これらの店舗は全て「ザ・ビッグ」への転換や、法人消滅前の閉店によって姿を消しました。また、一時期「メガマート」も運営していましたが、これも最終的には「ザ・ビッグ」に統合されています。したがって、法人消滅時には「ザ・ビッグ」のみを運営していました。

その他の取り組みと歴史的注釈

2015年からは、環境負荷低減への取り組みとして、運営する全店舗でレジ袋の無料配布を中止しました。これは一部店舗での先行実施を経て、同年9月1日をもって全店に拡大されたものです。

なお、イオングループ内には過去に「信州ジャスコ株式会社」という法人も存在しましたが、これは後にイオン株式会社本体に吸収されており、マックスバリュ長野株式会社とは直接の関連性はありません。

法人格の消滅

「ザ・ビッグ」を主軸に長野県で地域に根ざした事業を展開してきましたが、イオングループ内のディスカウントストア事業の更なる効率化と強化のため、2021年6月1日をもって、同じく「ザ・ビッグ」などを運営するイオンビッグ株式会社に吸収合併され、11年の歴史に幕を閉じました。

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