マックス・アラン・コリンズ

マックス・アラン・コリンズ（Max Allan Collins、1948年3月3日生まれ）は、アメリカで多岐にわたる活動を展開する作家です。ミステリー小説を中心に、映画やテレビの脚本、漫画やコミック・ストリップの原作、さらにはトレーディングカードや既成作品のノベライズなども手掛けています。

彼のキャリアは非常に幅広く、特に有名な作品としては、グラフィックノベルで後に2002年に映画化された『ロード・トゥ・パーディション』が挙げられます。この作品には「Road to Purgatory」と「Road to Paradise」という2つの続編小説があり、さらに3作のグラフィックノベルも制作されています。

漫画分野では、チェスター・グールドから人気コミック・ストリップ『ディック・トレイシー』の執筆を引き継いだほか、『バットマン』などの原作も担当しました。テレビドラマ関連では、『ダークエンジェル』や『CSI:科学捜査班』、『BONES』（『ボーンズ―深く葬られし者』として出版）などのオリジナル小説も執筆しています。

幼い頃から推理作家ミッキー・スピレインの熱心なファンであり、後に親交を深めました。1990年代にはコミックシリーズ「Mike Danger」で共作を実現。2006年にスピレインが亡くなった後、コリンズは彼の遺志を継ぎ、未完だった作品群の完成を託されました。「Dead Street」、「The Goliath Bone」、「The Big Bang」といった作品をスピレインの死後に出版し、他にも多くの未完作品を世に送り出す予定です。

コリンズはまた、作家や脚本家として活躍するリー・ゴールドバーグと共に、メディア作品のノベライズ作家を支援する組織「International Association of Media Tie-in Writers」を設立しています。学歴としては、アイオワ大学の著名なプログラムであるアイオワ作家ワークショップで学びました。

彼の創作活動の中心には、多くのシリーズ作品があります。

クォリー・シリーズ: 殺し屋が主人公のハードボイルドシリーズ。
ノーラン・シリーズ: プロの泥棒を追うこのシリーズは、ドナルド・E・ウェストレイク（リチャード・スターク名義）の「悪党パーカー」シリーズに影響を受けて生まれました。
ネイサン・ヘラー・シリーズ: コリンズ作品の中で最も長く続くシリーズ。シカゴの私立探偵ネイサン・ヘラーが、歴史上の著名な事件を調査しながら、1930年代から40年代の有名人（オーソン・ウェルズ、フランク・ニッティ、サリー・ランドなど）と交流します。シリーズ第1作『シカゴ探偵物語―悪徳の街1933』でシェイマス賞を受賞し、第5作『リンドバーグ・デッドライン』で2度目の受賞を果たしました。第10作「Flying Blind」ではアメリア・イアハートとのロマンスが描かれ、第14作「Chicago Confidential」からは舞台が1950年代に移っています。
エリオット・ネス・シリーズ: アル・カポネを追い詰めた財務省捜査官エリオット・ネスが、クリーブランド公共治安本部長時代の活躍を描く歴史ミステリーです。

他にも、妻であるバーバラ・コリンズと「バーバラ・アラン」名義で共著したユーモラスなミステリー「トラッシュ&トレジャー・シリーズ」や、パトリック・カレイン名義で発表した歴史ミステリー作品（「Black Hats」など）があります。

作家活動に加えて、コリンズは映画監督・脚本家としても活動しており、「Mommy」や「Mommy 2: Mommy's Day」など、故郷アイオワ州マスカティンで制作された複数の映画を手掛けました。さらに、ロックバンド「クルージン」で作詞を手掛けるなど、音楽活動も行っています。

マックス・アラン・コリンズは、その多岐にわたる分野での創作活動と多作ぶりで、アメリカのエンターテイメント界に独自の足跡を残しています。

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