マッタラ・ラージャパクサ国際空港

マッタラ・ラージャパクサ国際空港は、スリランカ南部ハンバントタ県のマッタラに位置する国際空港です。コロンボのバンダラナイケ国際空港に次ぐ、スリランカ第二の国際空港として開発が進められました。空港名は、マヒンダ・ラージャパクサ元大統領に由来し、ハンバントタ国際空港とも呼ばれます。

沿革

スリランカの空の玄関口は、長らくバンダラナイケ国際空港が担っていましたが、将来的なキャパシティ飽和を見据え、新たな国際空港の建設が計画されました。2009年11月にラージャパクサ大統領の承認を受け、2010年3月に建設が開始、2013年3月18日に開港しました。建設費は2億900万ドルで、中国港湾工程が建設を請け負い、中国政府から1億9080万ドルの融資を受けました。

開港当初は、航空産業の拡大や国際貿易、観光業、雇用の活性化による経済発展が期待されました。エアバスA380にも対応できる設計で、国際民間航空機関の提言に沿った誘導路と滑走路端に機体転回用ターニングパッドが設置されました。

しかし、開港後、経営は深刻な不振に陥ります。2014年5月には収入が約1万5千円相当にまで落ち込みました。ハンバントタ県はラージャパクサ大統領の地元であり、空港建設に大統領の意向が強く働いたとされています。2015年の政権交代後、赤字路線を抱えていたスリランカ航空は全路線を撤退しました。2016年には「世界で最も空いている国際空港」と評され、飛行訓練やメンテナンスサービスでの活用が検討されました。

1日の利用客数が10人程度となる日もあり、空港の一部はコメの備蓄倉庫として利用される状況でした。2017年には、インド政府が空港事業に出資し、40年間借り受けることが報じられました。インド側には空港を利用するメリットが少なく、実質的に中国が運営するハンバントタ港への牽制と見られています。2018年にはドバイとの定期便が終了し、一時期は空港施設が穀物貯蔵庫となっていました。2019年10月には、出発便が12便、乗客は3人という状況で、この空港は「世界一さびしい空港」と呼ばれるようになりました。

就航路線

2019年時点での就航路線は以下の通りです。

旅客便：なし
貨物便：なし

トピック

2019年3月、日本の航空自衛隊のU-4多用途支援機が訓練飛行で当空港に着陸しました。

脚注

関連項目
バンダラナイケ国際空港
ラトゥマラナ空港
ハンバントタ港

外部リンク

* マッタラ・ラージャパクサ国際空港公式サイト (英語)

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