マッティ・アールニオ

マッティ・アルマス・アールニオ

マッティ・アルマス・アールニオ（1901年2月24日 - 1984年12月16日）は、フィンランドの著名な軍人であり、特に第二次世界大戦中におけるモッティ戦術の専門家として知られています。彼は「モッティ・マッティ」という愛称で親しまれていました。その功績は、彼が戦争の中でどのように戦術を駆使し、指揮官としての役割を果たしたかにあります。

生い立ちと内戦期の経歴

アールニオはコウヴォラで生を受け、若い頃より軍の道を志しました。彼はフィンランド内戦において白衛軍の一員としてサヴォ前線で戦い、その後はエストニア独立戦争やラトビア独立戦争にも従軍しました。また、東カレリアでのアウヌス遠征にも参加し、多様な戦場での経験を積みました。1920年にはフィンランド国防軍での兵役を終え、予備役将校となりました。1926年に士官候補生学校を卒業し、1933年には陸軍士官学校を卒業。1930年代初頭には大尉に昇進し、参謀本部の対外関係部での勤務を始めました。

冬戦争と継続戦争

第二次世界大戦が勃発し、ソ連がフィンランドに侵攻した際、アールニオは少佐に昇進し、第4猟兵大隊の指揮官としてラドガ湖北方で活躍しました。彼の指揮する大隊は、兵力や物資が不足する中、機動力と地形を生かし、赤軍を分断することに成功しました。この戦略は後に「モッティ戦術」と呼ばれるようになり、アールニオはこの戦術を実行するために6個の大隊を指揮しました。その成功により、彼は「モッティ・マッティ」という名で知られるようになりました。

継続戦争が始まると、アールニオは第9猟兵連隊の連隊長に任命され、ラドガ・カレリアの奪還作戦に参加しました。1941年12月には第56猟兵連隊の連隊長に任され、ラップランド戦争の際には第2猟兵大隊長を務めるなど、彼の軍歴は続きました。

戦後の人生

戦争が終結すると、アールニオはユヴァスキュラ軍管区の長を務めていましたが、共産党が政権を握ったことで、多くの軍人と共に反逆者として秘密警察Valpoに追われることになりました。彼はスウェーデンに逃れ、更にアメリカ合衆国を経由してベネズエラに亡命しました。ベネズエラでは、国家警備隊の士官候補生学校にて測地学や数学を教える教授として働く一方、港でトルニ元大尉との再会を果たすなど、再び戦友との絆を深めました。

1952年、アールニオはフィンランドへ帰国し、その後は保険会社や国民連合党で財務担当者としての活動を行いました。さらに、1966年には冬戦争についての回顧録を出版し、彼自身の経験を文書として残しました。このように、アールニオの人生は戦争の影響を色濃く受けつつも、彼なりの道を歩み続けました。

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