マットグロッソ州

マットグロッソ州：ブラジル中西部の雄大な大地

マットグロッソ州（Estado de Mato Grosso）は、ブラジルの中西部に位置し、広大な面積を誇る州です。州都はクイアバで、略称はMTです。その地理、気候、歴史、経済、そして文化は、ブラジルの多様性を象徴しています。

地理

マットグロッソ州は、ロンドニア州、アマゾナス州、パラー州、トカンティンス州、ゴイアス州、マット・グロッソ・ド・スル州と隣接し、さらにボリビアとの国境を共有しています。総面積は90万3208平方キロメートルに達し、ブラジルで3番目に広い州です。

州の地形は多様で、大部分は標高600メートル以下の低地ですが、マント・クリスト山のような標高1118メートルの山も存在します。また、ジュルエナ川、シングー川、パラグアイ川など、多くの河川が州内を流れ、豊かな水資源を育んでいます。

気候

州全体が熱帯に位置しており、年間を通して温暖な気候です。特に、26℃を超える日が多く、一年は雨季と乾季に分かれます。雨季には、地方の道路が水没することがあり、船や航空機が重要な交通手段となります。

歴史

「マットグロッソ」という地名は、ポルトガル語で「深い森」を意味します。1494年のトルデシリャス条約により、当初はスペイン領でしたが、後にポルトガル領となりました。18世紀には金が発見され、入植者が増加。1748年にはポルトガルによって総督府が設置されました。

経済

農業はマットグロッソ州の主要な産業であり、特に牧畜が盛んです。広大な土地を利用して、サトウキビ、綿花、大豆、米などが栽培されており、特に大豆の生産量はブラジル国内で最大級です。また、州の南西部には世界的に有名な大湿地帯「パンタナール」が広がり、国内外から多くの観光客が訪れます。

交通

州都クイアバにはマレシャウ・ホンドン国際空港があり、ブラジル各地からの便が乗り入れています。広大な面積のため、小型機による移動も一般的ですが、州内の飛行場には未舗装の滑走路も少なくありません。自動車による移動も重要ですが、都市部を離れると未舗装道路が多く、雨季には道路が水没することもあります。農業州らしく、近距離の移動には馬や驢馬も利用されています。

教育

マットグロッソ州には、マットグロッソ連邦大学などの高等教育機関があります。

著名人

マットグロッソ州出身の著名人には、エウリコ・ドゥトラ、カンディド・ホンドン、ホベルト・カンポスなどがいます。

マットグロッソ州は、その広大な大地と豊かな自然、そして多様な文化を持つ、ブラジルの魅力を凝縮した州と言えるでしょう。パンタナールへの玄関口として、観光客にも人気があります。

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