マット・ハービー

マシュー・エドワード・ハービー—栄光と挑戦のピッチャー

マシュー・エドワード・ハービーは、1989年3月27日生まれの元プロ野球選手で、主に投手として活躍しました。コネチカット州ニューロンドン出身の彼は、愛称「リアル・ディール」や「ザ・ダークナイト・オブ・ゴッサム」で知られ、野球界だけでなくメディアにも大きな印象を与えました。

経歴のスタート

ハービーは2007年のMLBドラフトでロサンゼルス・エンゼルスから指名を受けましたが、大学進学を選び、ノースカロライナ大学チャペルヒル校でのプレーを決めました。2010年にはニューヨーク・メッツから1巡目（全体7位）で指名され、プロ選手としての道を歩み始めました。

メッツ時代

2011年にA+級セントルーシー・メッツでプロデビューを果たし、AA級ビンガムトン・メッツでも26試合に登板。13勝5敗、防御率3.32、156奪三振という成績を残しました。

2012年7月26日、アリゾナ・ダイヤモンドバックス戦にてメジャーデビューを果たし、5.1イニングで11奪三振という記録的な初勝利を挙げます。この年、先発として10試合に登板し、3勝5敗としましたが、防御率2.73、奪三振率10.62という好成績を収めました。

2013年には開幕から先発ローテーションに定着し、特に4月には6試合中4試合で勝利を収め、ピッチャー・オブ・ザ・マンスを受賞。さらに、オールスターゲームにも選出され、2イニングを無失点に抑えるなど、輝かしい瞬間を迎えました。その後、右肘の靱帯部分断裂が発覚し、手術を余儀なくされます。

復帰とその後

手術から復帰した2015年には、29試合に先発し13勝、防御率2.71を記録。チームの地区優勝にも貢献し、カムバック賞を受賞しましたが、2016年と2017年は苦しむこととなり、防御率も低迷しました。

2018年にシンシナティ・レッズに移籍後は少し持ち直し、オフにはフリーエージェントとなりました。

エンゼルス、アスレチックス、ロイヤルズ、オリオールズ時代

エンゼルスでの契約は厳しい結果になり、2019年には自己ワーストの防御率を記録。これに続く他チームでのプレーも彼の力を証明する機会となりました。2021年にはボルチモア・オリオールズに加入し、MLBにも復帰。この素材でのプレーは、一時は期待を持たせるも、最終的には苦難の連続となりました。

引退とWBC

2023年3月、第5回ワールド・ベースボール・クラシックでイタリア代表に選出され、2試合に登板し防御率1.29を記録。その後、同年5月に現役引退を発表しました。

投球スタイルと人物像

ハービーの投球スタイルは、スリークォーターからの力強いフォーシームと鋭いスライダーが特徴で、最速では約161.0km/hを記録しました。

ニューヨーク・メッツ時代には派手な生活やファッションモデルとの交際が噂され、「ロサリオ」と呼ばれることもありました。精神的な事情から試合を休むこともあり、その背景にはゴシップ雑誌が取り上げるような盛大なプライベートがありました。

彼はまた、子供の頃からバットマンの熱心なファンであり、愛用するバットには「DARK KNIGHT」と刻んでいることでも知られています。2013年には米誌「スポーツ・イラストレイテッド」の表紙を飾るなど、スポーツ界でも高い注目を集めました。

その栄光と挑戦の歴史は、彼の歩みとして多くのファンに記憶されています。

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