マッド・アマノ

マッド・アマノ（本名：天野正之）は、1939年東京都生まれのグラフィックデザイナー、パロディストです。彼は、有限会社ビッグバンの代表取締役も務めています。東京都立竹早高等学校を経て東京藝術大学美術学部を卒業しました。

アマノは、フォトモンタージュを駆使したパロディ作品で広く知られています。その作品は、時に風刺的でありながらもユーモラスで、社会に対する鋭い視点とメッセージが込められています。彼は自身の作品について、「風刺は権力者との闘争の手段である」と述べており、その言葉からも彼の強い信念が伺えます。

1981年から写真週刊誌『FOCUS』で連載された「狂告の時代」は、アマノの代表作の一つです。この連載では、政治家や芸能人、スポーツ選手などの顔写真を素材に、その時々の社会問題を広告風に表現するというスタイルで、大きな話題を呼びました。連載は2001年まで続き、その間、日本の社会に対する風刺的な視点を提示し続けました。

現在では、月刊誌『創』において「狂告の時代」の後継とも言える、風刺パロディ作品を連載しています。長年にわたり、社会に対する鋭い視点を持ち続けていることがわかります。

人物

6歳の時に疎開先で空襲を経験。
1962年、日立製作所に入社。
1978年、第24回文藝春秋漫画賞を受賞。
1981年、『FOCUS』にて「狂告の時代」の連載を開始（2001年休刊）。
2000年、『たけしの誰でもピカソ』にゲスト出演。


著書

アマノは、多数の著書も発表しています。初期の作品から近年のものまで、彼の思想や社会に対する考え方が垣間見えます。

『パロディって何なのさ』（文藝春秋・文春文庫、1982年）
『パロディ毒本』（新潮社・新潮文庫、1982年、新版2000年）
『マッド・アマノのアメリカ広告通信』（広松書店、1984年）
『笑撃　同時代の正しい笑い方』（PHP研究所、1985年）
『アメリカを動かせ! 意見広告とのつきあい方』（東京書籍、1986年）
『アイデアが生まれる 不思議なアメリカの話』（ダイナミックセラーズ出版、1989年）
『マッド・アマノの遊び商品USA アメリカの発想に学ぶ』（日本生産性本部、1989年）
『パロディ主義 「怒り」と「嘲笑」の知能指数』（ビー・エヌ・エヌ、1997年）
『マッド・アマノの日本再生33の大提言 奇想天外景気浮揚策』（かんき出版、1999年）
『新しい歴史狂科書 FOCUS狂告の時代　'81~'01 』（新潮社、2002年）
『リコール! 小泉鈍一郎　あの米国を想い この属国を創る』（雷韻出版、2004年）
絵本『リトルボーイとファットマン』（七つ森書館、2005年）
『マッド・アマノの「謝罪の品格」』（平凡社・平凡社新書、2008年）
電子書籍『世界でも珍しい「謝罪会見」という光景』（アドレナライズ、2014年）
『原発のカラクリ　原子力で儲けるウラン・マフィアの正体』（鹿砦社、2012年）
電子書籍『原発のカラクリ』（アドレナライズ、2013年）


共著

『パロディ角戦争』（新潮文庫、1983年） - 筑紫哲也と
『狂告の時代』（サンマーク出版、1988年）- コダーマン、クソ高、スーダラ佐藤と


狂告の時代

「狂告の時代」は、『FOCUS』の最終ページに連載された、アマノのオマージュ写真企画です。時事問題を取り上げ、それを広告風に表現するという斬新な手法で、多くの読者に衝撃を与えました。この連載は、アマノの風刺精神を象徴する作品として、今でも多くの人に語り継がれています。


関連項目

パロディ・モンタージュ写真事件 - アマノが著作権侵害で訴えられた事件
白川義員 - パロディ・モンタージュ写真事件の原告
風刺


外部リンク

マッド・アマノのパロディータイムス
日本写真家協会 - 問題の写真が閲覧できる
* 東京地裁 - 昭和47年11月20日判決文付 マッド・アマノこと天野正之の謝罪文

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