マツダ・フレア

マツダ フレア：軽トールワゴンとその歴史

マツダ フレアは、同社が販売する軽トールワゴンです。その歴史は、1994年にスズキからワゴンRのOEM供給を受け、AZ-ワゴンとして発売されたことに始まります。その後、18年にわたり3度のフルモデルチェンジを経て進化を続け、2012年9月に4度目のフルモデルチェンジと同時に「フレア」へと車名を変更しました。この改名と同時に、フレアワゴン、フレアクロスオーバーといったシリーズ展開も開始されました。

初代 フレア (MJ34S/44S型、2012年 - 2017年)

初代フレアは、5代目ワゴンRと共通のエンジンとトランスミッションを採用していました。エンジンは自然吸気エンジンとインタークーラーターボエンジンの2種類が用意され、マツダの軽自動車としては初めてR06A型エンジンを搭載しました。トランスミッションはCVTと5MTが設定され、全車にアイドリングストップシステムを標準装備。さらにCVT車には、減速時に発電した電力を蓄電し、電装品に供給することで燃費を向上させる「エネチャージ」システムも搭載されました。

後期型では、「S-エネチャージ」システムを追加。モーター機能付発電機（ISG）によるモーターアシストで燃費向上と静粛性向上を実現しました。グレード体系はノーマルタイプの「フレア」とエアログレードの「フレア カスタムスタイル」の2種類で、それぞれに複数のグレードが設定されていました。2012年から2017年にかけて、いくつかのマイナーチェンジや一部改良を行い、燃費向上や安全装備の充実を図っています。

初代フレアの主な特徴

5代目スズキ・ワゴンRをベースとしたメカニズム
自然吸気エンジンとターボエンジンの選択が可能
CVTと5MTのトランスミッション
全車標準装備のアイドリングストップシステム
燃費向上システム「エネチャージ」と「S-エネチャージ」
充実した安全装備（一部グレード、オプション設定含む）

2代目 フレア (MJ55S/95S型、2017年 - )

2017年、フレアは2代目へとフルモデルチェンジ。6代目ワゴンRをベースに、ISGの高出力化と大容量リチウムイオンバッテリーによるマイルドハイブリッドシステムを搭載しました。このシステムにより、低速時のモーターによるクリープ走行や、モーターアシストによる燃費向上を実現しています。初代で設定されていた「カスタムスタイル」は廃止され、自然吸気エンジンのみのラインアップとなりました。

グレード体系は初代と似ていますが、「HYBRID」の名称が追加され、マイルドハイブリッドシステム搭載を示しています。2017年の発売以降、何度も仕様変更や商品改良を行い、安全装備の充実や、エンジン、トランスミッションの改良、燃費性能の向上など、更なる進化を遂げています。2022年には、約5年ぶりにターボエンジン搭載車「HYBRID XT」が追加されました。

2代目フレアの主な特徴

6代目スズキ・ワゴンRをベースとしたメカニズム
マイルドハイブリッドシステム搭載
自然吸気エンジンのみの設定
充実した安全装備（標準装備とメーカーオプション）
* 2022年、ターボエンジン搭載車「HYBRID XT」追加

車名「フレア」について

「flair」は英語で「才能」を意味する言葉です。マツダの軽自動車として、様々な才能を詰め込んだ車であることを示唆しています。

まとめ

マツダ フレアは、スズキ・ワゴンRをベースとした軽トールワゴンとして、長年にわたり進化を続けてきました。初代では燃費性能と安全性能の向上に注力し、2代目ではマイルドハイブリッドシステムの採用により、環境性能と走行性能の両立を実現しています。今後も、市場のニーズに応えるべく、更なる進化を遂げていくことが期待されます。

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