マツダ・AZ-オフロード

マツダ AZ-オフロード：個性と走破性を兼ね備えた軽クロスカントリー4WD

マツダ AZ-オフロードは、1998年10月から2014年4月まで販売されていた軽自動車タイプのクロスカントリー4WD車です。スズキの3代目ジムニーをベースとしたOEMモデルであり、マツダとスズキの軽自動車OEM契約の一環として誕生しました。内外装にマツダ独自の要素を取り入れ、ジムニーとは異なる個性を演出しています。

本格オフローダーとしての魅力

AZ-オフロード最大の特徴は、その本格的なクロスカントリー性能です。ラダーフレーム構造を採用しており、悪路走破性において高い能力を発揮しました。これは、マツダの国内ラインナップにおいて唯一、そして最後のラダーフレーム車種となりました。発売から生産終了まで基本設計は変更されず、マイナーチェンジや改良を繰り返し販売されました。

モデル概要と歴史

1998年10月の発売当初は「XL」と「XC」の2グレードが設定され、「XC」には5速MTも用意されていました。その後、安全装備の充実や排出ガス規制への対応などを目的としたマイナーチェンジを複数回実施。2002年にはエンジン性能の向上や内外装デザインの変更などが行われ、グレードは「XC」に一本化されました。2004年のマイナーチェンジでは、フロントグリルやアルミホイール、インパネのデザイン変更、シート素材・デザイン変更などが実施され、使い勝手も向上しました。さらに、CDプレイヤーやLEDメーターが追加され、4WDの切り替えもスイッチ一つで行えるようになりました。生産終了となる2014年まで、長きに渡り販売され続けました。累計販売台数は9,810台と、希少性の高いモデルとなっています。ジムニーワイド/シエラに相当する登録車仕様のモデルは販売されませんでした。

マツダとスズキの協業

AZ-オフロードは、マツダとスズキのOEM協業の象徴的なモデルと言えるでしょう。マツダは、スズキから完成車を供給を受けて自社ブランドとして販売することで、ラインナップの多様化を図りました。一方、スズキにとっても販売チャネルの拡大に繋がったと言えます。

デザインと装備

AZ-オフロードのデザインは、ジムニーをベースとしながらも、マツダ独自のテイストが加えられています。フロントグリルやバンパー、ホイールなど、細部にもこだわりが見られます。内装も、機能性を重視したシンプルなデザインで、運転席からの視界も良好です。装備面では、時代とともに安全装備が充実していき、快適性も向上しました。

後継車種

2014年の生産終了後、AZ-オフロードの後継車種としては、スズキ・ハスラーのOEMであるマツダ・フレアクロスオーバーが位置付けられています。フレアクロスオーバーは、AZ-オフロードとは異なるコンセプトのモデルですが、軽自動車市場におけるクロスカントリーモデルという位置付けを引き継いでいます。

AZという車名

車名の「AZ」は、マツダのディーラー網の一つであるオートザムの略称です。オートザムは、マツダの販売チャネルとして、個性的なモデルを多く取り扱っていました。AZ-オフロードも、その系譜を受け継ぐモデルと言えるでしょう。

まとめ

AZ-オフロードは、個性的なデザインと本格的なオフロード性能を両立した、稀少性の高いモデルでした。生産終了から数年が経過していますが、その魅力は現在も多くのファンを魅了し続けています。マツダとスズキのOEM協業の歴史においても重要な位置を占めるモデルであり、日本の自動車史においても注目に値する一台と言えるでしょう。

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