マヌ・カチェ

マヌ・カチェ：音楽の道を切り開くフランスのドラマー

マヌ・カチェ（Manu Katché）は、1958年10月27日、フランスのサン＝モール＝デ＝フォッセで生まれました。父親はコートジボワール出身、母親はフランス人という国際的な背景を持っています。7歳からピアノを始め、音楽大学でパーカッションを学びました。

ドラマーとしての才能開花

作曲家としても才能を発揮していますが、マヌ・カチェの真髄は、その独特で洗練されたドラム演奏にあります。激しさと繊細さを兼ね備えたプレイスタイルは、多くの人々を魅了してきました。

1986年、ピーター・ガブリエルのアルバム『So』に参加したことが、彼のキャリアにおける大きな転機となりました。このアルバムの世界的な成功により、マヌ・カチェは一躍脚光を浴びることになります。

ジャンルを超えた活躍

その後、ポップやロックの分野で、アル・ディ・メオラ、ダイアー・ストレイツ、ジョー・サトリアーニ、スティング、ユッスー・ンドゥールなど、数多くの著名なミュージシャンのレコーディングやライブに参加しました。彼のドラムは、これらのアーティストの音楽に深みと彩りを与え、作品の魅力を引き出すことに貢献しました。

ソロ活動とECMからのリリース

2005年9月12日には、2枚目のソロ・アルバム『ネイバーフッド』をECMレーベルから発表しました。このアルバムには、ヤン・ガルバレク（サクソフォーン）、トーマス・スタンコ（トランペット）、マルチン・ボシレフスキ（ピアノ）、スラボニール・スラヴォミル・クルキェヴィッツ（ダブルベース）といった、彼の親しいミュージシャンたちが参加し、話題を呼びました。

楽器開発への貢献

音楽活動に加えて、楽器の開発にも積極的に関わっています。ヤマハと共同で、子供向けの本格的な小型ドラムというコンセプトのコンパクトドラム・キット「Junior Kit」を開発したり、ジルジャン社にドラムスティックの設計アイデアを提供する（マニュ・カチェ・モデル）など、その活動は多岐にわたります。

ディスコグラフィー

ソロ・アルバム
『イッツ・アバウト・タイム』 - It's About Time (1992年)
『ネイバーフッド』 - Neighbourhood (2005年)
『プレイグラウンド』 - Playground (2007年)
『サード・ラウンド』 - Third Round (2010年)
『マヌ・カッチェ』 - Manu Katche (2012年)
Touchstone For Manu (2014年)
Unstatic (2016年)
The Scope (2019年)

主なセッション参加アルバム
ピーター・ガブリエル : 『So』 - So (1986年)
スティング : 『ナッシング・ライク・ザ・サン』 - Nothing Like the Sun (1987年)
ロビー・ロバートソン : 『ロビー・ロバートソン』 - Robbie Robertson (1987年)
ポール・ヤング : 『アザー・ヴォイセズ』 - Other Voices (1990年)
スティング : 『ソウル・ケージ』 - The Soul Cages (1991年)
ダイアー・ストレイツ : 『オン・エヴリー・ストリート』 - On Every Street (1991年)
ジョー・サトリアーニ : 『ジョー・サトリアーニ』 - Joe Satriani (1995年)
宮沢和史 : 『Sixteenth Moon』 (1998年)
スティング : 『ブラン・ニュー・デイ』 - Brand New Day (1999年)
スティング : 『…オール・ディス・タイム』 - ...All This Time (2001年)
ピーター・ガブリエル : 『UP』 - Up (2002年)
スティング : 『セイクレッド・ラヴ』 - Sacred Love (2003年)
* スティング : 『ザ・ブリッジ』 - The Bridge (2021年)

マヌ・カチェは、その卓越したドラム演奏と幅広い音楽性で、これからも多くの人々を魅了し続けるでしょう。

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