マハマヌ・ウスマン

マハマヌ・ウスマン

マハマヌ・ウスマン（Mahamane Ousmane、1950年1月20日生まれ）は、ニジェールの政治家であり、ハウサ民族の出身です。彼はニジェール共和国の第4代元首として、1993年4月16日から1996年1月27日まで大統領を務めました。クーデターによって政権を追われた後も政界に復帰し、1999年12月から2009年5月まで国会議長を務めました。また、民主社会会議（CDS）の元党首でもあります。

大統領就任

1993年2月27日の大統領選挙で、ウスマンは民主社会会議（CDS）から立候補し、26.59%の得票率で社会発展国民運動（MSND）のタンジャ・ママドゥに次いで2位となりました。彼は他の政党と変革勢力同盟（AFC）を結成し、決選投票で54.42%の票を獲得して大統領に就任しました。ウスマンは大統領として、ニジェール最大の民族であるハウサ人として初めての大統領となりました。

政権運営と失脚

大統領就任後、ウスマンはAFC内のニジェール民主社会主義党（PNDS）のマハマドゥ・イスフを首相に任命し、連立政権の強化を図りました。しかし、経済不安による治安の悪化により政情は不安定となり、1994年9月28日にウスマンはイスフを罷免し、後継にスーレイ・アブドゥライを任命しました。これによりPNDSは連立を離脱し、AFCは少数与党として政権運営を余儀なくされました。1995年1月には議会選挙が行われ、野党のMNSDが勝利し、首相にはMNSDのハマ・アマドゥが就任し、コアビタシオン体制となりました。ウスマン政権はさらに混迷を深めていきました。

1996年1月27日、参謀総長イブライム・バレ・マイナサラによるクーデターが発生し、ウスマンは大統領の座を追われました。その後、マイナサラが民政移管を行うために7月7日から8日に大統領選挙を実施すると、ウスマンは再び立候補しましたが、19.75%の得票で2位に終わり、敗北しました。独裁化を進めるマイナサラ政権に対し、ウスマンはママドゥやイスフとともに1997年11月の選挙をボイコットしました。

その後の政治活動

1999年4月にマイナサラ大統領が暗殺され、クーデターを起こしたダオダ・マラム・ワンケが民政移管を実行すると、ウスマンも大統領選に出馬しましたが、タンジャ・ママドゥに敗れました。2004年のニジェール大統領選挙にも同様に出馬しましたが、17.43%の得票でママドゥとイスフに次ぐ3位に終わりました。ニジェールの憲法では大統領の3選は禁止されていましたが、ママドゥ大統領は憲法を改正するために2009年に国民投票を実施しようとしたため、ウスマンとCDSは国民投票と議会選挙をボイコットしました。これに対し、ママドゥ大統領はウスマン、イスフ、ハマ・アマドゥの3名の逮捕状を請求し、ウスマンは国外に逃れました。2010年2月18日、サル・ジボによるクーデターでママドゥ大統領が追放されると、ウスマンはニジェールに帰国しました。

2020年12月27日に行われたニジェール大統領選挙では、暫定結果で17％の得票を得て、39.3％を得票したモハメド・バズム元外相と共に決選投票に進みました。しかし、2021年2月21日の決選投票では得票率44.25％にとどまり、落選しました。

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