マヒワ

マヒワ：ユーラシア大陸に生息する小型の鳥

マヒワ（学名： Carduelis spinus）は、スズメ目アトリ科に属する全長12～12.5cmの小型の鳥です。ヨーロッパ、アジア、北アフリカに広く分布しており、地域によっては渡り鳥、留鳥として一年を通して生息しています。

広い分布域

マヒワは、ユーラシア大陸と北アフリカに広く分布しており、その生息域は非常に広範囲に及びます。具体的には、アイスランドから日本、そして北アフリカにまで及び、多様な環境に適応していることがわかります。夏期にはヨーロッパ北部やアルプス山脈、中国北東部などで繁殖し、冬期にはアフリカ北部、ヨーロッパ、中国東部、日本、朝鮮半島へ移動して越冬します。日本では、冬鳥として飛来し、北海道や本州中部以北では繁殖も確認されています。

羽衣の特徴

マヒワの羽衣はオスとメスで異なります。オスの成鳥は、喉元と額から後頭にかけて黒い羽毛で覆われ、顔や胸、腰は鮮やかな黄色をしています。背中は黄緑色で、腹部は白い羽毛に黒褐色の縦縞が入っています。一方、メスの成鳥は上面が緑褐色の羽毛で覆われ、黒褐色の縦縞が入っており、オスに比べて色彩は地味です。尾羽は黒く、翼も黒色ですが、羽縁は黄色みを帯びています。嘴は細く、薄いオレンジ色をしています。

生態と繁殖

マヒワは、平地から山地にかけての針葉樹林や林縁部に生息しています。繁殖期以外には群れで生活し、植物食で、果実（ダケカンバやハンノキなど）、種子、芽などを主な餌としています。繁殖形態は卵生で、樹上に木の枝などを組み合わせたお椀状の巣を作ります。1回に5～7個の卵を産み、メスのみが抱卵します。抱卵期間は約11～14日、雛は孵化後13～15日で巣立ちます。

保全状況

マヒワは、IUCNレッドリストでは軽度懸念（Least Concern）に指定されており、現時点では絶滅の危険性は低いとされています。しかし、生息地の減少や環境変化の影響を受ける可能性があり、継続的なモニタリングが必要です。

まとめ

マヒワは、その美しい羽衣と広い分布域で知られる小型の鳥です。日本でも冬鳥として観察でき、その可愛らしい姿は多くの人々を魅了しています。しかし、生息環境の変化には常に注意が必要であり、今後もその保全状況に注目していく必要があります。

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