マラウイ会議党

マラウイ会議党（Malawi Congress Party）は、マラウイの政党であり、同国政治において重要な役割を果たしてきました。1966年には、初代大統領としてヘイスティングズ・カムズ・バンダを輩出しています。1966年から1993年まで、マラウイはマラウイ会議党のみが合法政党として存在する一党制の時代でした。

歴史的背景

マラウイ会議党は、ニヤサランドアフリカ人会議（Nyasaland African Congress、NAC）の流れを汲む政党です。1959年、バンダを含むニヤサランドアフリカ人会議の主要メンバーが逮捕された後、同年8月にマラウイ会議党として再建・成立しました。1961年のニヤサランド選挙で大勝し、1964年にはマラウイを独立へと導きました。

しかし、1966年にマラウイが民主化すると、マラウイ会議党は唯一の合法政党であることを宣言。全ての成人市民に党員となることを義務付け、党員証の携帯を義務付けました。これは、実質的な一党独裁体制の始まりでした。

バンダは、1963年に首相、1966年に大統領、1971年には終身大統領となり、権力を一手に掌握しました。閣僚の解任や選挙候補者の指名など、その権力は濫用され、意に反する政治家や活動家が投獄、暗殺される事例が後を絶たなかったと言われています。マラウイ会議党は、バンダの独裁政治を支える基盤としての役割も担っていました。

複数政党制への移行と現在

1990年代初頭、国内外からの批判が高まり、マラウイは1993年の国民投票を経て複数政党制へと移行しました。翌1994年に行われたマラウイ初の自由選挙で、マラウイ会議党は大敗を喫し、下野することとなりました。

多くのアフリカ諸国で見られる、かつて単独政党であった党とは異なり、マラウイ会議党は現在でもマラウイにおいて有力な政党の一つです。その背景には、マラウイ中部州に住むチェワ族およびニャンジャ族からの圧倒的な支持があります。この地域における伝統的な支持基盤が、マラウイ会議党の政治的影響力を維持する上で重要な役割を果たしています。

近年の動向

2004年5月20日に行われた普通選挙では、ジョン・テンボ（John Tembo）が大統領候補として出馬し、27.1%の得票を得ました。また、国民議会（National Assembly）では、194議席中60議席を獲得し、第一党となりました。しかし、大統領に当選したのは35.9%の得票を得た民主進歩党のビング・ワ・ムタリカであり、与党となったのも野党との連立や無所属議員の取り込みに成功した民主進歩党でした。

マラウイ会議党は、過去の独裁政治のイメージを払拭し、民主的な政治勢力として国民の信頼を再び得ることが課題となっています。今後のマラウイ政治において、どのような役割を果たすのか注目されます。

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