マラヤ共産党

マラヤ共産党 (MCP) の歴史

マラヤ共産党（Malayan Communist Party：MCP）は、1930年5月にイギリスの植民地時代のマラヤで設立された共産主義政党です。前身は南洋共産党で、当時の社会情勢や労働争議の失敗を経て、党の結束が求められるようになりました。

の始まり

1920年代後半、南洋共産党は何度か労働争議やストライキを起こしましたが、英植民地政府による厳しい弾圧により、党幹部は逮捕され、多くが中国に送還されました。このような状況を鑑み、コミンテルンはMCPの設立に向けた援助を決定し、1930年までに南洋共産党は改名されました。この新たな党は、マラヤ、タイ、インドネシアへの影響力を広げ、マレー人、インド人、華人を対象として独自の活動を行うことができるようになりました。1930年4月には、マラヤ人民抗日軍を結成し、日本の侵略に対抗するための武装闘争を開始しました。

戦争の影響

1941年12月、日本軍がマレー半島に侵攻すると、MCPは自らの武装組織を強化し、抗日ゲリラ活動を行いました。英植民地政府は、戦争中に逮捕していたMCPの幹部を解放し、彼らは中国系住民の支援を受けて活動を展開しました。しかし、MCPの指導者の一人である萊特が日本軍のスパイに転身していたため、多くの党幹部が日本軍によって捕えられ、あるいは暗殺されるという事態に見舞われました。

内部対立と報復

戦争後、MCPは対日協力者への報復を目的とした運動を推進しましたが、内部の権力闘争や人種間の対立が激化しました。特に、華人とマレー人との間での暴動が多発し、数多くの死者を出す結果に至りました。英軍が復帰すると、MCPは「マラヤ共和国」の樹立を目指しましたが、彼らの活動は厳しく制限されました。

マラヤ危機

1948年にMCPは「革命武闘路線」を採用し、ストライキやデモを展開して英政府との衝突が発生しました。しかし、英植民地政府の対応と、ブリッグス将軍による新村への移住政策が功を奏し、日本軍の影響力が徐々に削がれていきました。MCPは、労働者の支持を得られず、次第に劣勢に立たされることになります。

敗北と活動停止

1955年の総選挙を経てMCPは一時的に平和的交渉の道を模索しましたが、要求は受け入れられず、結果的に降伏せざるを得なくなりました。1989年12月には、マレーシア政府と和平協議を結び、MCPは活動を停止することが決定されました。これにより、マラヤ共産党は政治の舞台から姿を消しました。

主な党員

MCPには萊特や陳平など多くの指導者がおり、彼らは党の方向性を決定づける重要な役割を果たしました。特に萊特は、その裏切り行為で党に大きな打撃を与えました。

まとめ

MCPは、植民地支配に対抗し、社会主義の理念を広めるために多くの困難を乗り越えて活動してきましたが、多くの外的要因と内部の分裂によってその影響力を失い、最終的には和平協定に至ることになりました。

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