マリツァの戦い (1371年)

マリツァの戦い（1371年）

マリツァの戦いは、1371年9月26日に、現在のギリシャ共和国オルメニオ近郊のマリツァ川沿いのチェルノメン村付近で発生しました。この戦いは、オスマン帝国と、セルビア人を中心とするバルカン半島諸国の連合軍との間で行われました。

背景

1364年のマリツァの戦いでオスマン帝国に敗北したバルカン諸国連合軍は、セルビア皇帝ステファン・ウロシュ5世、プリレプのデスポット（僭主）ヴカシン、セラエのデスポット・ウグリェシャを中心に再結集し、雪辱を期していました。オスマン皇帝ムラト1世がバルカン半島を離れ、アナトリア半島に滞在していた隙をつき、ウグリェシャはオスマン帝国の首都であるエディルネへの奇襲を計画しました。

戦闘

バルカン側の連合軍は、20,000人から70,000人という大規模な兵力を動員しました。一方、オスマン軍の兵力は比較的少数であり、ギリシャの歴史家ラオニコス・ハルココンディリスによれば、わずか800人であったと伝えられています。しかし、オスマン帝国の将軍ララ・シャヒーン・パシャは、夜襲を敢行し、バルカン連合軍を壊滅させることに成功しました。この戦いで、ヴカシンとウグリェシャは戦死しました。

結果と影響

マリツァの戦いの結果、マケドニアとギリシャの一部がオスマン帝国の勢力下に入りました。戦いの直前にはソゾポルがオスマン軍に制圧され、戦後にはドラマ、カヴァラ、セラエがオスマン帝国の占領下に置かれました。この戦いは、オスマン帝国によるバルカン半島征服の重要な一歩となり、後のコソボの戦いへと繋がっていきます。

参考文献

Rossos, Andrew, Macedonia and the Macedonians, Hoover Institution Press Publications, 2008.
Sedlar, Jean W., East Central Europe in the Middle Ages, 1000-1500, University of Washington Press, 1994.
Stavrianos, L. S. The Balkans Since 1453, C. Hurst & Co. Publishers, 2000.
Turnbull, Stephen R. The Ottoman Empire 1326-1699, Osprey Publishing, 2003.

関連項目

マリツァの戦い (1364年)
第二次ブルガリア帝国

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