マリリン・マーティン

マリリン・マーティン：パワフルな歌声で魅了したシンガーソングライター

マリリン・マーティン（Marilyn Martin、1954年5月4日 - ）は、アメリカのシンガーソングライターです。彼女は、1985年にフィル・コリンズとのデュエット曲「セパレート・ライヴス」で全米No.1を獲得し、一躍その名を知られるようになりました。彼女の音楽キャリアは、その力強い歌声と幅広い音楽性によって彩られています。

生い立ちと音楽への目覚め

1954年、テネシー州で生まれたマリリンは、ケンタッキー州ルイビルで育ちました。幼少期から様々な音楽に触れる機会に恵まれ、父親はカントリーやブルーグラス、母親はR&B、そして祖母はゴスペルを歌っていました。18歳頃から様々なバンドで歌い始め、最終的にオハイオ州アクロンのバンドに加わります。5年間クラブで活動した後、スティーヴィー・ニックスのオープニングアクトとして、ジョー・ウォルシュとのツアーに参加するチャンスを得ました。このツアーには、マイケル・マクドナルド、ボズ・スキャッグス、ケニー・ロギンスといった大物アーティストたちも参加していました。ツアー後、マリリンはロサンゼルスに移り、スティーヴィー・ニックス、ジョー・ウォルシュ、ドン・ヘンリー、トム・ペティ、ケニー・ロギンスなど、数々のアーティストのバック・ボーカリストとして活躍しました。

キャリアの飛躍

マリリンの才能は、当時アトランティック・レコードの社長だったダグ・モリスの目に留まります。彼は、スティーヴィー・ニックスのアルバム『ロック・ア・リトル』でのマリリンのバックボーカルに感銘を受け、彼女にデモを依頼しました。1984年には、映画『ストリート・オブ・ファイヤー』のサウンドトラックで、スティーヴィー・ニックスの楽曲「ソーサラー」をレコーディングしました。この曲では、ニックス自身もバックボーカルを務めています。モリスは、マリリンと2枚のアルバム契約を結び、1985年の映画『ホワイトナイツ/白夜』のサウンドトラックに収録された「セパレート・ライヴス」で、フィル・コリンズとデュエットする機会を与えました。この曲は、全米No.1ヒットとなり、イギリスでもトップ5に入る大ヒットとなりました。

1986年1月、マリリンのセルフタイトルデビューアルバムがリリースされ、Billboard 200で72位にランクイン。シングルカットされた「ナイト・ムーヴス」はBillboard Hot 100で28位を記録しました。その後、「ボディ・アンド・ザ・ビート」、「ムーヴ・クローサー」といったシングルもリリースされましたが、チャートインには至りませんでした。1988年にはセカンドアルバム『シリアス』がリリースされ、マドンナとパトリック・レナードが手掛けたリードシングル「ポゼッシヴ・ラヴ」も話題になりました。また、映画『君がいた夏』の挿入歌として、デビッド・フォスターとのデュエット曲「And When She Danced」もレコーディングしました。

しかし、シングルもアルバムも商業的な成功には結びつかず、アトランティック・レコードは彼女との契約を打ち切りました。その後、1990年代までバックボーカリストとしてのキャリアを続け、1993年にはナッシュビルに移り住みました。1994年には、アトランティックからカントリーアルバム『Through His Eyes』をレコーディングしましたが、アルバムは未発表となりました。現在、マリリンの公式ウェブサイトで入手可能です。1997年には、デビッド・ハッセルホフとのデュエット曲「I Live for Love」をレコーディングしました。

2012年、マリリンはクリスチャンミュージックアルバム『Trust, Love, Pray』をリリースしました。これは、彼女自身が書いた楽曲を収録したもので、「Every Way and Always」はキリスト教ラジオ局で放送されました。2016年には、スティーヴィー・ニックスの24カラット・ゴールド・ツアーでバックボーカルを務め、その後もニックスとのコラボレーションを続け、2019年にはフリートウッド・マックのツアーにもバックボーカリストとして参加しました。

現在

現在は、ナッシュビルの不動産業者として活躍しており、ギタリストで音楽プロデューサーの夫グレッグ・ドロマンと共に暮らしています。

ディスコグラフィー

スタジオ・アルバム

『マリリン・マーティン』 - Marilyn Martin (1986年)
『シリアス』 - This Is Serious (1988年)
Trust, Love, Pray (2012年)

未発表アルバム

Through His Eyes (1994年)

シングル

"Sorcerer" (1984年) ※映画『ストリート・オブ・ファイヤー』サウンドトラック収録
「セパレート・ライヴス」 - "Separate Lives" (1985年) ※デュエット with フィル・コリンズ。全米1位
「ナイト・ムーヴス」 - "Night Moves" (1986年) ※全米28位
「ムーヴ・クローサー」 - "Move Closer" (1986年)
「ボディ・アンド・ザ・ビート」 - "Body and the Beat" (1986年)
「ポゼッシヴ・ラヴ」 - "Possessive Love" (1988年)
"Love Takes No Prisoners" (1988年)
"And When She Danced" (1988年) ※デュエット with デイヴィッド・フォスター (カナダ・チャート73位)
"No Regrets" (1992年) ※デュエット with シャルル・デュモン
"Through His Eyes" (1994年)

外部リンク

公式ウェブサイト
Discogs'>マリリン・マーティン - Discogs
オールミュージック'>マリリン・マーティン - オールミュージック
IMDb'>マリリン・マーティン - IMDb

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