マリ＝アニエス・ジロ

マリ＝アニエス・ジロ：フランスバレエ界の至宝

マリ＝アニエス・ジロ（Marie-Agnès Gillot）は、1975年9月7日生まれのフランスのバレエダンサー、バレエ指導者、そして振付家です。彼女は、その卓越した才能と舞台での存在感で、パリ・オペラ座バレエ団を代表するエトワールとして長きにわたり活躍しました。

生い立ちとバレエとの出会い

ジロは、9歳の時にバレエを始め、1985年に名門パリ・オペラ座バレエ学校に入学しました。12歳の時に脊椎側彎症と診断されますが、手術を避け、補装具を装着しながらバレエを続けました。この困難を乗り越え、15歳という若さでパリ・オペラ座バレエ団に入団を果たします。

パリ・オペラ座での輝かしいキャリア

1990年の入団後、ジロは順調に昇進を重ね、1999年にはプルミエール・ダンスーズ、2004年にはエトワールに任命されました。彼女は、クラシック・バレエの古典作品はもとより、ジョン・ノイマイヤー、ジョージ・バランシン、ウィリアム・フォーサイス、ローラン・プティ、モーリス・ベジャールなど、近現代の幅広い作品を踊りこなし、その多様な才能を発揮しました。

レパートリーと評価

ジロは、長身を生かしたダイナミックな踊りと、豊かな表現力で観客を魅了しました。彼女はクラシックとコンテンポラリーの両分野で才能を発揮し、特にローラン・プティ作品では、その存在感と表現力が際立っていました。『クラヴィーゴ』、『若者と死』、『カルメン』などの「ファム・ファタル」（宿命の女）役で、観客を魅了しました。

エトワールとして

2004年、カロリン・カールソン振付のコンテンポラリー作品『シーニュ』終演後、エトワールに任命されたことは、当時としては異例のことでした。オペラ座総裁のステファン・リスネールは、彼女を「コンテンポラリー・ダンスにおいて芸術性を究極まで高めたオペラ座初のダンサー」と高く評価しました。

引退とその後

2018年3月31日、ジロはガルニエ宮でのアデュー公演（引退公演）で、ピナ・バウシュの『オルフェとユリディス』を踊り、14年間にわたるエトワールとしてのキャリアに幕を下ろしました。引退後も、バレエ指導や振付など、様々な活動を通じてバレエ界に貢献しています。

受賞歴

ジロは、数々の栄誉ある賞を受賞しています。

カルポー賞 (1997年)
AROP観客賞 (1998年)
ブノワ賞 (2005年)
芸術文化勲章シュヴァリエ

人物像

ジロは、ファッションにも強い関心を持ち、キッズブランドのショーでダンスを披露したり、プレタポルテのファッション・ショーで企画構成を手がけたりするなど、その活動は多岐にわたります。また、社会的な活動にも積極的に参加し、ルーヴル美術館のピラミッドの下で一般人を率いて踊るイベントを成功させました。このイベントは、病気の子供たちへの援助を目的とする慈善団体を支援するものでした。

まとめ

マリ＝アニエス・ジロは、その才能、努力、そして情熱によって、フランスバレエ界に輝かしい足跡を残しました。彼女の芸術は、これからも多くの人々に感動を与え続けることでしょう。

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