マルグリット・ブロクディス

マルグリット・ブロクディス（1893年4月17日 - 1983年4月23日）は、フランス・ポー出身の女子テニス選手で、1910年代から1920年代にかけて活躍しました。彼女は、フランステニス界の黎明期を代表する名選手の一人として知られています。

特に、1912年ストックホルムオリンピックでのテニス女子シングルス金メダル獲得は、彼女のキャリアにおけるハイライトの一つです。さらに、出場資格がフランス人選手に限定されていた初期の全仏選手権でも傑出した成績を残し、女子シングルスで2度、女子ダブルスで1度、そして混合ダブルスで3度の優勝を果たしました。

ブロクディスは1910年から全仏選手権でその才能を発揮し始めました。しかし、当初は女子シングルスで1910年と1911年に連続で準優勝に終わり、ジャンヌ・マシーに敗れています。1911年の全仏選手権混合ダブルスでは、アンドレ・ゴベールとのペアで初優勝を飾りました。1912年のストックホルムオリンピックでは、テニス競技が通常の屋外競技と「室内競技」の2種類で行われ、ブロクディスは屋外競技の女子シングルスで金メダル、混合ダブルスで銅メダルを獲得しました。女子シングルス決勝では、ドイツ代表のドロテア・ケーリングを破り、混合ダブルスではアルベール・カネとのペアで3位に入賞しました。

1913年と1914年には、全仏選手権女子シングルスで2連覇を達成しました。初期の全仏選手権は記録が不完全な部分も多く、1913年のジャンヌ・マシーとの対戦結果は残っていませんが、1914年のスザンヌ・ランランとの決勝戦は、5-7, 6-4, 6-3でブロクディスが勝利したことが記録されています。この連覇を達成した時期、ブロクディスはウィンブルドン選手権の混合ダブルスにも出場し、アンソニー・ワイルディングとペアを組んで決勝に進出しましたが、ジェームズ・パーク＆エセル・トムソン・ラーコム組に敗れ準優勝に終わりました。

1915年から1919年までは第一次世界大戦の影響で全仏選手権が中止されました。この期間中、ブロクディスは結婚し、夫の姓である「ビロー」を併用して「マルグリット・ビロー」と名乗ることもありました。1920年に再開された全仏選手権では、ブロクディスとスザンヌ・ランランが女子シングルス決勝で再び対決しましたが、ブロクディスはランランに敗れました。しかし、1924年には女子ダブルスと混合ダブルスの2部門で優勝を果たし、混合ダブルスではジャン・ボロトラとのペアで13年ぶりの勝利を収めました。この年まで全仏選手権はフランス人選手限定でしたが、1925年からは国際大会となり「フランス国際選手権」と名称が変更されました。また、ブロクディス自身も最初の夫と離婚し、ボードと再婚しています。国際大会となった後、1927年には再びジャン・ボロトラと組んで混合ダブルスで優勝し、ビル・チルデン＆リリ・デ・アルバレス組を破りました。

マルグリット・ブロクディスは、全仏選手権が変革期を迎える中、37歳まで現役を続け、1983年4月23日に90歳でその生涯を閉じました。彼女の功績は、フランステニス史において重要な位置を占めています。

全仏選手権の主な成績

女子シングルス：2勝（1913年、1914年）[準優勝3回：1910年、1911年、1920年]
女子ダブルス：1勝（1924年）
混合ダブルス：3勝（1911年、1924年、1927年）

参考文献

全仏オープン公式メディア・ガイド、1995年版

外部リンク

マルグリット・ブロクディス - Olympedia（英語）
マルグリット・ブロクディスの略歴（フランス語）
* アテネオリンピックテニス・メディアガイド （英語、PDFファイル）

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