マルコポーロ (企業)

マルコポーロ（Marcopolo S.A）は、ブラジル南部のリオグランデ・ド・スル州カシアス・ド・スルに拠点を置く、世界的に知られるバス製造会社です。

この企業は1949年に設立されて以来、交通手段としてのバスの多様なニーズに応えるべく成長を続けてきました。現在では、「Marcopolo」、「Ciferal」、「Neobus」、「Volare」といった複数のブランドを展開しており、幅広い車種を製造しています。そのラインナップは、長距離移動に用いられる都市間高速バスや国際線向け大型バス、観光旅行で活躍する観光バスから、公共交通機関としての路線バス、さらにはコンパクトなマイクロバスまで、多岐にわたります。

マルコポーロは、ブラジルのバス製造業界において圧倒的な存在感を示しており、国内で生産されるバス車両の実に半分以上を手掛けています。その高い技術力と品質は国際的にも評価されており、世界60ヶ国を超える国々へ製品を輸出しています。

生産体制においても、ブラジル国内に4ヶ所の製造拠点を構えるほか、南米のアルゼンチン、コロンビア、メキシコ、欧州のポルトガル、アフリカの南アフリカ共和国、そしてロシアにも工場を設立するなど、グローバルな生産ネットワークを構築しています。

国際展開は製造拠点の設置にとどまらず、技術提供という形でも行われています。特に中華人民共和国への技術輸出は、同社の技術力の高さを物語っています。また、特定の市場への参入においては、戦略的なパートナーシップを結んでいます。例えば、インド市場では、現地の自動車大手タタ・モーターズと共同で事業を展開するためのジョイントベンチャーを設立しています。さらに、ドイツの自動車メーカーであるフォルクスワーゲンのブラジル現地法人、フォルクスワーゲン・ド・ブラジル社とも提携しており、フォルクスワーゲン製のシャーシにマルコポーロ製の車体を架装したバス車両を共同で販売しています。

近年では、バス製造で培った技術と経験を活かし、新たな分野への進出も果たしています。2021年には、ライトレール（軽量軌道交通）用車両の製造を開始しました。「Prosper VLT」シリーズとして発表されたこの新規事業は、同社の事業領域の拡大を示すものであり、都市交通ソリューションへの貢献を目指しています。

このように、マルコポーロは設立から70年以上にわたり、バス製造をコア事業としながら、国内外での市場拡大、戦略的提携、そして新規分野への挑戦を通じて、世界の交通インフラを支える主要なプレーヤーの一つとして活動を続けています。

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