マルス計画

マルス計画 (Mars probe program)

概要
マルス計画は1960年代から1970年代にかけて、ソビエト連邦によって実施された火星の無人探査プログラムです。この一連の計画では、火星に探査機を送り、表面や大気の調査を行うことを目的としていました。各世代にわたる様々なタイプの探査機が打ち上げられましたが、多くは失敗し、その結果として貴重な教訓と対策が生まれました。

第一世代 - マルスニク計画

ソビエト連邦の初の火星探査計画であるマルスニク計画は1960年に始まりました。この計画では、650kgの質量を持つ探査機が2機打ち上げられましたが、いずれも失敗に終わりました。

第二世代 - マルス3MV-4A計画

続いて、1962年にマルス1号が打ち上げられましたが、火星へ到達する前に故障しました。この時期に打ち上げられたマルス1962Aとマルス1962Bも、905kgの機体を基にしたものでしたが、地球の軌道を脱出できませんでした。1964年にはゾンド1964Aやゾンド2号も打ち上げられましたが、またしても失敗しました。

第三世代 - マルス2号からマルス7号

1971年から1973年にかけてのマルス計画では、マルス2号からマルス7号までの探査機が続けて打ち上げられました。1971年に打ち上げられたマルス1971Cは、新型の設計となりより重く、プロトンロケットによる打上げが必要でした。この探査機は、機器開発を行う上で金星を目指すベネラ計画に影響を与え、探査の手法が改善される基盤となりました。

M-71計画

マルス1971Cを含むこの計画では、マルス2号とマルス3号が特に注目されました。両者は火星の表面に到達した初めての人工物となり、豊富なデータを地球に送信しました。特に、マルス3号は着陸した際の詳細な画像を地球に送り返し、火星の環境について貴重な情報を提供しました。

M-73計画

1973年から8月にかけてのM-73計画ではマルス4号から7号までが打ち上げられました。これらの探査機は、火星の大気や表面の特性を観測することが主な目的でしたが、特にマルス4号は火星周回軌道に入ることができず、代わりに通過データを収集しました。特にマルス5号は、火星の詳細な画像を多数撮影し、科学的なデータを収集することに成功しました。

中止になったミッションと後の探査

1973年に計画されたマルス4NMやマルス5NMは実現しませんでしたが、後のフォボス計画では、火星の衛星フォボスを調査するために探査機が打ち上げられました。ただし、フォボス1号は司令の誤りで故障し、フォボス2号も通信が途絶えました。

近年においては、1996年のマルス96計画や、2012年のフォボス・グルントの打ち上げが行われるも、いずれも失敗に終わりました。これらのミッションを通じて、火星探査に向けた国際的な努力が続けられています。

まとめ

マルス計画は、火星探索の第一歩として非常に重要な意義を持っていました。各ミッションを通じて得られた知見は、後の探査計画に寄与し、火星に関する理解を深める助けとなっています。

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