マルディン

マルディンは、トルコ共和国の南東部、シリアとの国境付近に位置する歴史的な都市です。マルディン県の大都市自治体であり、その旧市街はアルトゥク様式の建築が特徴的です。岩山の上に築かれた都市は、北シリアの平原を見下ろす戦略上の要地であり、その景観は見る者を魅了します。2012年の大都市自治体指定に伴い、旧マルディン市はアルトゥクル（Artuklu）に改名されました。

歴史

マルディンの歴史は古く、3世紀にはシリア正教会のキリスト教徒によって開かれました。7世紀から12世紀にかけてのアラブ人支配下、そして12世紀から14世紀にかけてのセルジューク朝系アルトゥク朝の時代にも、マルディンは主にキリスト教徒が住む地域でした。アルトゥク朝は1394年にティムール朝によって滅亡しましたが、ティムール朝はこの地域を直接統治することはありませんでした。

1517年、マルディンはオスマン帝国のセリム1世によって征服され、第一次世界大戦の終結までその支配下に置かれました。しかし、1832年にはクルド人による反乱の舞台ともなっています。また、マルディンを建設したキリスト教徒たちは、トルコ共和国独立戦争（1919年～1923年）の際に多くが殺害または追放され、現在では少数派となっています。

2012年には、マルディン県が大都市自治体に指定され、旧マルディン市はアルトゥクルに改名されました。これにより、マルディンは新たな自治体としてのスタートを切っています。

マルディンは、その長い歴史の中で様々な文化が交錯し、独自の文化を形成してきました。古代からの建築物や、多文化が共存した歴史を今に伝えるこの街は、訪れる者に深い印象を与えます。かつてはキリスト教徒が多数を占めていたこの街も、歴史の波に翻弄され、その構成は大きく変化しました。しかし、現在でも、その歴史の痕跡は色濃く残り、この都市の魅力を形成しています。

マルディンの歴史を紐解くと、古代から様々な民族や文化が交錯し、その影響が今日まで残っていることがわかります。特にアルトゥク朝の時代には、文化的な繁栄を迎え、その建築様式は今日でも高く評価されています。マルディンは、歴史的な建造物や文化遺産、そして多様な民族が暮らす街として、観光客を魅了し続けています。

脚注

[ここに脚注があれば記述]

関連項目

* トルコの都市の一覧

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