マレーシア軍

マレーシア軍 (Malaysian Armed Forces)

マレーシア軍は、マレーシア国の安全保障を担う組織であり、陸軍、海軍、空軍の三つの部門から成り立っています。国防予算は約39億6,000万ドルで、総兵力は約10.9万人です。陸軍は約8万人、空軍は226機、海軍には79隻の艦船が配備されています。

概要

マレーシア軍は、国土と国益を保護するために設立されました。過去には、日本軍による侵略の危機がありましたが、現在は直接的な侵略の脅威は小さいとされています。しかし、隣国シンガポールとの間には政治的な緊張が継続しており、インドネシアとの間にも歴史的な対立があります。また、南シナ海では、中国や台湾の影響力の増加に対抗する必要があります。

マレーシア軍の起源は、1915年から1936年にわたって編成されたマレー自治州義勇軍に遡ります。その後、1933年には正規軍としてマレー連隊が設立され、第二次世界大戦中には、イギリス連邦軍として日本軍と戦いました。戦後のマラヤ危機を経て、さらに軍隊は拡張されました。現在のマレーシア軍は、本土防衛と周辺海域のパトロールが主な任務であり、シンガポールやインドネシアとの関係を考慮しながら、海空軍力の強化にも努めています。

特にイスラム教国であるため、女性兵士はヒジャブを着用することが許可されています。

陸軍

マレーシア陸軍は、陸戦を専門とする部門で、陸軍の兵力は約8万人で、即応予備役が4万人います。他の東南アジア諸国に比べて比較的軽装備ですが、質の高い機甲火力と遠距離火力も備えています。主要戦闘部隊は5個師団で構成されており、それぞれ異なる地域に展開しています。

主要な装備としては、ステアーAUG小銃やポーランド製のPT-91主力戦車、スコーピオン軽戦車などがあります。また、火砲にはG5 155mm榴弾砲やFH70 155mm榴弾砲が使用されています。

海軍

マレーシア海軍もまた重要な役割を持ち、79隻の艦船を運用する部門です。海軍のルーツは、1934年に創設された海峡居住地海軍志願予備役にさかのぼります。現在のマレーシア海軍は、東南アジアで最も先進的とされ、イギリス製のフリゲートや潜水艦も保有しています。

海軍の主力艦艇には、レキウ級フリゲートやカスツーリ級フリゲートがあり、排他的経済水域のパトロール用に武装可能なクダ級哨戒艦も整備されています。

空軍

マレーシア空軍は226機の航空機を誇り、アメリカ製とロシア製の戦闘機を同時に導入するというユニークな構成を持ちます。主力戦闘機には、F/A-18DおよびSu-30MKMがあり、それに加えてA400MやC-130など輸送機も使用されています。

特殊部隊

三軍は各々特殊部隊を有しており、陸軍のGGK、海軍のPASKAL、空軍のPASKAUが存在します。これらの特殊部隊は、対テロや反乱作戦を行うための精鋭部隊となっています。

以上がマレーシア軍の概要であり、その役割と構成は地域の安全保障にとって重要なものとなっています。

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