G5 155mm榴弾砲

G5 155mm榴弾砲

G5榴弾砲は、1982年に南アフリカ共和国が開発した155mm榴弾砲です。

開発の背景

南アフリカ国防軍は、長らくイギリス製のQF 25ポンド砲やBL 5.5インチ砲、アメリカ製のM2ロングトムといった第二次世界大戦中に開発された火砲を主力としていました。しかし、アパルトヘイト政策による武器禁輸措置により、新型火砲の入手が困難になったという背景があります。

その後、イスラエルからソルタムM68 155mm榴弾砲などを導入しましたが、アンゴラ内戦への介入において、アンゴラ軍やキューバ軍が装備するソ連製の新型火砲、特にM-46 130mmカノン砲の射程が南アフリカ軍の火砲を上回っていたため、砲撃戦で不利な状況に立たされました。これにより、南アフリカ国防軍はM-46カノン砲を上回る射程を持つ火砲を急遽必要としたのです。

概要

G5榴弾砲は、ジェラルド・ブル博士率いるスペースリサーチコーポレーションが開発したGC45 155mm榴弾砲をベースに、ブル自身が改良に携わって設計されました。当時としては珍しい45口径砲を採用し、標準榴弾で30km、ベースブリード弾を使用すると37.5kmの射程を実現しています。

この砲は4輪式の砲架に搭載されており、砲架装置の油圧を作動させたり、短距離の自走を可能にする空冷ガソリンエンジンを搭載しています。

派生型

G5の技術を応用した派生型として、以下のものが存在します。

G7 105mm榴弾砲
G6 155mm自走榴弾砲（G5を装輪自走砲化）
T-72の車体に搭載可能な砲塔

採用国

G5榴弾砲は、以下の国で採用されています。

チリ
イラン
リビア
リビア国民軍 - 2020年に運用が確認
マレーシア
カタール
カタール陸軍 - 2023年時点で12門を保有
南アフリカ共和国
イラク（退役）

スペック

口径：155mm
全長：9.1m
全幅：3.3m
重量：13,750kg
砲身長：G5 mk1:6,975mm (45口径) / G5-2000:8,060mm（52口径）
仰俯角：-3°~+70°
左右旋回角：データなし
運用要員：8名
発射速度：3発/分（最大）、1発/分（連続射撃時）
射程：30,000m（標準榴弾）/50,000m（ロケット補助推進弾）

関連項目

ジェラルド・ブル
G7 105mm榴弾砲
* G6 155mm自走榴弾砲

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