マロニエ新宿号

マロニエ号：新宿と佐野を結ぶ高速バスの軌跡

この記事では、東京都新宿駅と栃木県佐野市を結ぶ高速バス路線「マロニエ新宿号」の歴史と現状について詳細に解説します。

誕生と変遷：新宿―宇都宮路線から佐野への焦点化

2001年7月、JRバス関東と関東自動車の共同運行で「マロニエ新宿号」が開設されました。当初は新宿と宇都宮を結ぶ路線として、一定の利用率を誇っていました。しかし、湘南新宿ラインの開業と増発により競争が激化、利用率の低下を招きました。そこで、割引運賃の導入や便数削減、東京駅経由便の設定など、様々な対策が講じられました。

転機となったのは、2004年の佐野プレミアム・アウトレットへの乗り入れ開始です。週末を中心に利用者が増加し、東京―佐野間の需要の高まりを実感しました。この成功を受けて、2005年には東京駅と足利を結ぶ「足利わたらせ号」も開設されました。

しかし、佐野プレミアム・アウトレットへの乗り入れは、宇都宮方面の利用者には時間的なロスをもたらしました。そのため、宇都宮―東京間の利用者は減少。結果として、2006年には関東自動車が路線から撤退し、JRバス関東単独運行となりました。また、「足利わたらせ号」も減便を経て、2007年には佐野―足利間を廃止し、「マロニエ東京号」と改称されました。

佐野新都市バスターミナルの役割

2007年、佐野市が中心となって建設された佐野新都市バスターミナルの開設は、大きな転換点となりました。これにより、発券業務の効率化が実現し、東京―佐野間の便数増加につながりました。現在では、「マロニエ新宿号」と「マロニエ東京号」を合わせて、平日28往復、土休日33往復（深夜便を含む）が運行されています。

運行経路と停車停留所

「マロニエ新宿号」と「ミッドナイトマロニエ号」は、バスタ新宿（新宿駅新南口）から池袋駅東口（上り降車のみ）、王子駅、佐野プレミアム・アウトレット（下り便の一部）、佐野新都市バスターミナルを経由します。「マロニエ東京号」は、東京駅（八重洲南口発着、日本橋口降車）、王子駅（上り全便と下り便の一部）、佐野プレミアム・アウトレット（下り便の一部）、佐野新都市バスターミナルを経由します。

愛称の由来

「マロニエ」は、栃木県の県花であるトチノキのフランス語名です。関東自動車が既に「マロニエ号」を運行していたことから、「マロニエ新宿号」「マロニエ東京号」と命名されました。「足利わたらせ号」は、足利市中心部を流れる渡良瀬川に由来します。

運行状況と車両

主に三菱ふそうエアロエースや日野セレガなどの40人乗りハイデッカー車が使用されます。Suica、PASMOも利用可能です。また、2010年からは深夜便「ミッドナイトマロニエ号」も運行されています。

まとめ：地域と歩む高速バス

「マロニエ新宿号」は、路線開設以来、様々な変化を遂げながら、東京と佐野を結ぶ重要な交通手段として発展してきました。佐野プレミアム・アウトレットの開業や佐野新都市バスターミナルの開設など、地域社会との連携が路線の維持・発展に大きく貢献しています。今後も、地域ニーズに対応しながら、その役割を果たしていくことが期待されます。

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