マンガライ駅

マンガライ駅：ジャカルタの主要鉄道ジャンクション

マンガライ駅（インドネシア語：Stasiun Manggarai）は、インドネシアの首都ジャカルタ特別州南ジャカルタ市テベト区に位置する、KRLコミューターラインとスカルノ・ハッタ空港鉄道が乗り入れる重要な駅です。この駅は、ジャカルタにおける鉄道輸送の要であり、多くの路線が交差するハブとしての役割を果たしています。

駅の概要

マンガライ駅は、インドネシア鉄道会社（PT.KAI）のジャカルタ線とマンガライ-パダララン線上に位置しています。KRLコミューターラインのボゴール線、チカラン環状線、そしてスカルノ・ハッタ空港鉄道が乗り入れており、多数の通勤客や旅行者に利用されています。駅の西側では、ジャカルタコタ駅方面からの路線とタナアバン駅方面からの路線が接続し、さらにPT.KAIのマンガライ工場への出入庫線も存在します。東側には、ジャティネガラ駅からブカシ方面とデポック経由でボゴール方面へ向かう2つの路線が分岐しており、その間からはコミューターラインのブキット・ドゥリ車両基地への引き込み線が伸びています。これらの複雑な線路配置が、マンガライ駅をジャカルタ南部の主要なジャンクションとして位置づけています。

慢性的な遅延と駅の複層化工事

多くの路線が集中するマンガライ駅では、ホームや渡り線の構造上の制約から、特に朝のラッシュ時には列車が場内信号で通過待ちを強いられることが多く、慢性的な遅延が発生していました。この問題を解決するため、長らく駅の高架化と立体交差化が計画されていましたが、なかなか具体化されずにいました。しかし、2018年末から駅の複層化工事が本格的に始まり、2022年にはボゴール線ホームの高架化が完了しました。この複層化計画では、3階を長距離列車とボゴール線、2階をコンコース、1階をチカラン線、環状線、空港連絡列車が使用する予定です。さらに、ボゴール線のジャカルタコタ駅方面は日本のODAによって高架化され、チカラン線のジャティネガラ駅方面からブカシ駅までの複々線化工事も進行中です。

スカルノ・ハッタ空港鉄道の延伸

スカルノ・ハッタ空港鉄道の延伸工事も行われ、2019年10月5日からは全列車の始発駅として機能しています。これにより、空港へのアクセスが大幅に向上し、多くの旅行者にとって利便性が高まりました。

歴史

マンガライ駅は、建設が完全には完了していなかったものの、1918年5月1日に開業しました。第一次世界大戦の影響で、駅に使用する屋根の一部が輸送遅延に見舞われたという歴史もあります。1等待合室は、1910年代当時の姿を今も残しています。

駅の構造

高架化工事前は5面13線の地上駅でしたが、工事完了後は地上ホームが5面8線、高架ホームが5面10線となる予定です。地上ホームからはチカラン環状線とスカルノハッタ空港線が発着し、高架ホームからはボゴール線と長距離列車が発着する予定です。駅舎は最も東側に位置し、コンコースと接続しています。

駅周辺

駅周辺には以下の施設があります。

カリヤグナ職業高校（Sekolah Menengah Kejuruan Karya Guna）
マンガライ市場（Pasaraya Manggarai）

隣の駅

KRLコミューターラインの各路線の隣駅は以下の通りです。

ボゴール線とナンボ支線：チキニ駅 - マンガライ駅 - テベト駅
チカラン環状線：スディルマン駅 - マンガライ駅 - マトラマン駅
スカルノ・ハッタ空港鉄道：マンガライ駅 - BNIシティ駅

参考文献

斉藤幹雄著『東南アジアを走るニッポンの廃車両』枻出版、2011年。
古賀俊行著『インドネシア鉄道の旅　魅惑のトレイン・ワールド』潮書房光人社、2014年。

関連項目

インドネシアの鉄道

外部リンク

* マンガライ駅（JAKARTA TRAVEL GUIDE）（英語）

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