マンション・ハウス駅

マンション・ハウス駅：ロンドンシティの地下に潜む歴史

ロンドン地下鉄の駅、マンション・ハウス駅は、金融街として知られるシティ・オブ・ロンドンに位置しています。サークル線とディストリクト線の2路線が乗り入れ、ロンドン交通局のトラベルカードゾーン1に属しているため、観光客にも便利な駅です。クイーン・ヴィクトリア・ストリートとキャノン・ストリートの交差点地下に位置しますが、駅名の由来となったマンション・ハウス（シティ・オブ・ロンドンの市長官邸）よりも、バンク駅の方が地理的には近いと言えるでしょう。

歴史を刻む地下空間

マンション・ハウス駅の歴史は古く、1871年にメトロポリタン・ディストリクト鉄道（現在のディストリクト線）のブラックフライアーズ駅からの延伸開業によって誕生しました。当初は東側の終着駅として、メトロポリタン鉄道（現在のメトロポリタン線）との相互直通運転による「インナー・サークル」の一部として運行を開始しました。

その後、1872年にはアウター・サークル路線が、さらに同年にミドル・サークル路線も運行を開始。これら環状路線は、複数の鉄道会社が協力して運行しており、マンション・ハウス駅はロンドン地下鉄網の中枢として重要な役割を果たしていました。アウター・サークルとミドル・サークルは、それぞれ1908年、1900年に運行を終了しましたが、インナー・サークルは発展を続け、1949年には現在の「サークル線」という名称となりました。

1920年代には、建築家チャールズ・ホルデンによる駅舎の改築が行われ、独特のデザインが施されました。1989年から1991年にかけては、駅全体の改修工事が行われています。

意外なトリビアとアクセス情報

マンション・ハウス駅は、ロンドン地下鉄の駅名で5つの母音（a, e, i, o, u）をすべて含む駅の1つであるという、意外なトリビアも持ち合わせています。もう一つの駅はサウス・イーリング駅です。

駅へのアクセスは良好で、複数のロンドンバス路線が乗り入れており、周辺地域からのアクセスも容易です。

近隣の駅と路線図

マンション・ハウス駅から利用できる路線と、隣接する駅は以下の通りです。


ロンドン地下鉄

サークル線: ブラックフライアーズ駅 - マンション・ハウス駅 - キャノン・ストリート駅
ディストリクト線: ブラックフライアーズ駅 - マンション・ハウス駅 - キャノン・ストリート駅

写真アーカイブから読み解く歴史

ロンドン交通博物館の写真アーカイブには、マンション・ハウス駅の様々な写真が残されており、1900年のプラットフォームの様子から、1956年や2001年の駅舎の様子まで、時代と共に変化してきた駅の様子を知ることができます。これらの写真は、駅の長い歴史と、その変遷を理解する上で貴重な資料となります。

まとめ

マンション・ハウス駅は、ロンドンの歴史と発展を肌で感じることができる、魅力的な駅です。地下深くにあるその空間は、長年にわたってロンドンの発展を支えてきた証であり、訪れる人々を歴史のロマンへと誘います。シティ・オブ・ロンドンを訪れる際は、ぜひこの歴史ある駅を訪れてみてください。

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