マーク・アントワン

マーク・アントワン：ロマの血を引くフランス出身のジャズギタリスト

マーク・アントワン（Marc Antoine）は、1963年5月28日フランス・パリ生まれのスムーズジャズ／フュージョンギタリストです。ロマの血を引く彼は、フラメンコ調のギター演奏を得意とし、その情熱的なサウンドで多くのファンを魅了しています。

幼少期から音楽への目覚め、そしてプロへの道

11歳の時にギターを手にしたアントワンは、その才能を開花させます。父親は彼の急速な進歩を見て、13歳から音楽学校でクラシックギターのレッスンを受けさせました。ジャズ、ロック、アフロ、ポップなど様々な音楽に興味を持ち、17歳までに数々の賞を受賞。地元のバンドでの演奏活動も行っていました。1981年に左手に故障を抱えますが、リハビリを経て1984年には見事復活を果たしました。

バーシアとの出会い、そしてロンドンへ

アフリカ出身のアーティストとの交流を通じ、1988年にアントワンはバーシアのオーディションに合格。旧友のピーター・ホワイトもメンバーにいました。この出会いを機に、彼は活動拠点をイギリス・ロンドンに移します。当時ロンドンで流行していたアシッドジャズにも影響を受け、演奏に取り入れていました。

アメリカへ拠点を移し、国際的な活躍

1990年代にアメリカ・ロサンゼルスへ移住。元々ブルースは得意ではありませんでしたが、ブルースも演奏に取り入れるようになりました。スティング、セリーヌ・ディオン、ロッド・スチュワート、TAKE 6など、様々なアーティストとの共演や、映画音楽の作曲も手掛けるなど、その活動は多岐に渡ります。プロモーションでスペインを訪れた際、現地の音楽に大きな感銘を受けたそうです。

デビューから現在まで

1994年、NYCレコードからデビューアルバム『フレンチ・ドリーム (Classical Soul)』をリリース。翌年には『アーバン・ジプシー』を発表し、『ラジオ&レコーズ』誌のベスト・ニュー・アーティスト・オブ・ザ・イヤーに選ばれました。1998年には、NYCレコードとGRPレコードの共同企画で、リック・ブラウンをプロデューサーに迎え、アルバム『マドリード』をリリース。マドリードは彼にとって思い出深い土地であり、婚約者との出会いの場所でもありました。彼女の名前を冠した「Rebeca's Waltz」は、彼の代表曲の一つです。このアルバムを機にGRPと契約し、過去の2枚のアルバムもGRPから再リリースされました。2000年にはフィリップ・セスをプロデューサーに迎え『ユニバーサル・ランゲージ』を、2001年にはトミー・リピューマを迎え『クルージン』をリリース。「マシュ・ケ・ナダ」のカバーは、セルジオ・メンデスのヒット曲として知られています。

2003年には、デイヴ・コーズが主宰するランデヴー・エンタテインメントに移籍し、アルバム『Mediterraneo』を発表。地中海をテーマにしたこのアルバムは、彼の音楽性の新たな一面を垣間見せています。その後、ピーク・レコードに移籍し、2007年に『Hi-Lo Split』をリリースしました。

近年の活動

近年もコンスタントにアルバムリリースを重ねており、2017年にはデイヴィッド・ベノワとの共作アルバム『So Nice!』を発表。2021年には『サムシング・アバウト・ハー』をリリースするなど、精力的な活動を続けています。

ディスコグラフィー

フレンチ・ドリーム - Classical Soul (1994年、GRP)
アーバン・ジプシー - Urban Gypsy (1995年、GRP)
マドリード - Madrid (1998年、GRP)
ユニバーサル・ランゲージ - Universal Language (2000年、GRP)
クルージン' - Cruisin' (2001年、GRP)
Mediterranéo (2003年、Rendezvous)
モダン・タイムズ - Modern Times (2005年、Rendezvous)
Hi-Lo Split (2007年、Peak)
Foreign Exchange (2009年、Peak) ※with ポール・ブラウン
My Classical Way (2010年、Frazzy Frog)
Guitar Destiny (2012年、Frazzy Frog)
Laguna Beach (2016年、Woodward Avenue)
So Nice! (2017年、Shanachie) ※with デイヴィッド・ベノワ
サムシング・アバウト・ハー - Something About Her (2021年、Agate)

外部リンク

公式ウェブサイト
GRP内ページ
* Discogs（英語）'>マーク・アントワン - Discogs

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