マーク・ロコ

マーク・"ローラーボール"・ロコ：初代ブラック・タイガーの光と影

マーク・"ローラーボール"・ロコ（本名：Mark Hussey）は、1951年5月11日にイギリスのマンチェスターで生まれ、2020年7月30日に69歳で亡くなったプロレスラーです。彼は特に、初代タイガーマスクの宿敵、初代ブラック・タイガーとして日本のプロレスファンに広く知られています。

生い立ちとデビュー

ロコは、ドロップキックの名手として知られた父ジム・ハジーの反対を押し切り、父のツアー中にコリン・ジョイソンの指導を受けました。1970年2月25日、英国マットでジョイソンを相手にデビューを果たします。その後、デール・マーティンズ・プロモーションズを主戦場とし、ヒールとして活躍しました。1977年にはダイナマイト・キッドとの抗争を繰り広げ、その名を高めます。

国際プロレス参戦とブラック・タイガーへの変身

1979年9月には、"ローラーボール"マーク・ロッコのリングネームで国際プロレスに初来日。阿修羅・原のWWU世界ジュニアヘビー級王座に2度挑戦しています。そして、1982年4月、佐山聡がタイガーマスクとして凱旋した後、ロコは覆面レスラー、ブラック・タイガーに変身し、新日本プロレスに初登場。タイガーマスクのWWFジュニアヘビー級王座に挑戦し、宿命のライバルとして激しい戦いを繰り広げました。

タイガーマスクとの激闘と王座獲得

1982年5月6日、ロコはグラン浜田を破り、タイガーマスクの負傷による返上で空位となっていたWWFジュニアヘビー級王座を獲得。しかし、20日後の5月26日にはタイガーマスクに敗れ、短命王者として終わりました。それでも、1980年代を通じて新日本プロレスを主戦場に活動し、その存在感を示しました。アントニオ猪木に頼まれ、ハルク・ホーガンにレスリングの基本をコーチしたというエピソードも残っています。

その後

1983年8月のタイガーマスク引退後は、ザ・コブラのライバルとなり、1984年12月28日にはニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンでコブラとのWWFジュニア王座決定戦を行いました。1986年からは地元の英国マットでフライング・フジ・ヤマダこと山田恵一と世界ヘビーミドル級王座を争い、1987年8月には凱旋帰国した山田を追って素顔のマーク・ロコとして新日本に参戦。1989年7月には再びブラック・タイガーに変身し、獣神サンダー・ライガーのIWGPジュニアヘビー級王座に挑戦しました。

引退後

1990年1月に最後の来日を果たしてからは、英国のオールスター・プロモーションズに定着しましたが、1991年の試合で脊髄を負傷。同年の試合を最後に現役を引退しました。引退後はスペイン領カナリア諸島のテネリフェ島に居住し、英国の各団体にレジェンドとして招かれるなど、その功績は長く語り継がれています。

逸話

グラビア撮影で京都の清水寺を訪れた際、日本の古都の美しさに感銘を受け「ビューティフル」を連発。この美しさを妻にも見せたいと絵ハガキを送ったというエピソードも残されています。

功績

マーク・"ローラーボール"・ロコは、初代ブラック・タイガーとして、日本のプロレス界に大きな影響を与えました。そのファイトスタイルとキャラクターは、多くの後進レスラーに受け継がれ、日本のプロレス史にその名を刻んでいます。

得意技

ツームストーン・パイルドライバー
ハングマンズ・ホールド
ダイビング・エルボー・ドロップ
ヨーロピアン・アッパー・カット

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