マーク3ナイフ

オンタリオ Mk3 ネイビー：アメリカ海軍特殊部隊が使用した軍用ナイフ

オンタリオ Mk3 ネイビーは、アメリカのナイフメーカーであるオンタリオ社が、アメリカ海軍やNavy SEALsでの使用を想定して設計した軍用ナイフです。

歴史と詳細

1970年頃にアメリカ軍の一部で正式採用され、一般販売もされました。しかし、時代の変化とともにアメリカ側の要求を満たすことができなくなり、現在では第一線での使用は減少しています。

旧型と新型

Mk3には旧型と新型の2種類が存在します。旧型は刃の先端が三日月のような形状のクリップポイントであるのに対し、新型は一般的なクリップポイントのデザインとなっています。

• - 旧型Mk3: 刃長16cmの420ステンレス鋼を使用。特徴的な刃の形状が識別ポイントです。切れ味は鋭いものの、耐久性に課題があったとされます。
• - 新型Mk3: 刃長が16.5cmと若干長くなり、鋼材は440ステンレス鋼に変更。420ステンレス鋼よりも錆びにくくなっています。刃の背にはケーブル切断用の鋸刃が設けられています。

どちらのモデルも、刃は光の反射を抑えるために黒色の塗料でコーティングされています。鍔は刃と同じ塗装が施されたステンレス鋼製、柄と鞘はGFRP（ガラス繊維強化プラスチック）製です。感電防止のため、タング（刃の根元から柄に続く部分）は柄の途中で止まっており、後部のハンマー部分は分離されています。鞘の内側には、落下防止用の板バネが備えられています。

軍用ナイフとしての特徴

軍用ナイフに共通する点として、製造精度が荒い個体も見られます。刃が柄に対して斜めに固定されている場合もあります。適切な手入れを怠ったり、タングが錆びた状態で、柄の後端をハンマーとして使用したり、刃をテコのように使うと破損する可能性があります。

ただし、高温多湿、酸性、塩分の多い環境に長時間放置したり、ガソリンや軽油などの腐食性のあるオイルが付着したまま放置しない限りは、Mk3は非常に堅牢であり、適切な手入れを行えば長期間使用することができます。

登場作品

漫画・アニメ

• - ヨルムンガンド: ココの私兵であるバルメが、旧型のMk3を使用しています。アニメで描写される鞘からナイフを抜く音は、実際のものとは異なっています。

使用状況と現在

アメリカ軍のほか、香港警察の特殊部隊（SDU）や対テロ対策部隊（CTRU）でも、戦闘用ではなく工作用ツールナイフとして使用されています。

現在では、オンタリオ社の別のナイフにその役割を譲り、アメリカ軍では一部の退役兵が使用している程度となっています。香港でも同様に、正式採用は他のメーカーのナイフに移行しています。

1970年代に設計されたナイフとしては、Mk3は当時としては最新のデザインと素材が採用されていました。初期には、爆弾処理班や偵察部隊などの特殊部隊が工作用に使用していました。比較的良質なステンレス鋼やGFRP製の柄と鞘、そして特殊作戦での実績から、アメリカ軍で広く使用されるようになりました。

入手方法

メーカーから一般販売されたのは新型のみですが、放出された旧型も少数が出回っており、100〜200ドル程度で取引されています。日本国内でも、ナイフショップやオークションサイトなどで入手可能です。新型は約1万円程度、旧型は2万円を超える価格で取引されることもあります。流通量が少ないため、入手には運と資金が必要です。

使用国

• - 香港
• - アメリカ合衆国

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