ミシェル・ジョトディア

ミシェル・ジョトディア：中央アフリカ共和国の元大統領

ミシェル・アン＝ノンドクロ・ジョトディア（Michel Am-Nondokro Djotodia、1949年 - ）は、中央アフリカ共和国の政治家であり、2013年から2014年まで同国の大統領を務めました。彼は、フランソワ・ボジゼ大統領を失脚させた反政府勢力「セレカ」の指導者としても知られています。

生い立ちと教育

ジョトディアは、ウバンギ・シャリ（現在の中央アフリカ共和国北東部）のバカガ州で生まれたとされています。彼はイスラム教徒であり、約10年間ソビエト連邦で教育を受け、経済計画を学びました。そのため、ロシア語に堪能であり、帰国後は高い教育を受けた知識人として尊敬を集めました。

政治活動

ジョトディアは政治的な野心を持っていましたが、当初は目立たない存在でした。1980年代には税吏として働いていました。その後、国の企画省や外務省に勤務し、スーダンのニャラ領事も務めました。しかし、まもなく反政府活動に加わり、2006年には反政府勢力の統一民主勢力連合（UFDR）を結成し、その代表格となりました。

内戦中はベナンのコトヌーに亡命していましたが、2008年にボジゼ政権との和平交渉に参加することを約束した後、解放されました。

大統領就任と辞任

2012年12月、ジョトディアはセレカの中心的な指導者として、中央アフリカ共和国の大部分を支配下に置きました。2013年1月の和平交渉で、ボジゼ大統領は野党から首相を任命し、反政府勢力の政権参加に合意しました。その結果、ニコラ・チャンガイ首相を首班とする挙国一致内閣が発足し、ジョトディアは国防担当の第一副首相という要職に就きました。

しかし、和平協定は長くは続きませんでした。ボジゼ大統領が約束を反故にしたとして、セレカは再び攻勢を強め、2013年3月24日には首都バンギを制圧。ボジゼ大統領は国外に亡命し、ジョトディアが大統領を宣言しました。彼は憲法を停止し、国会を解散させましたが、チャンガイを首相に再任し、挙国一致内閣を維持する姿勢を示しました。

しかし、アフリカの首脳はジョトディアを大統領として承認せず、包括的な暫定評議会の設置と、18ヶ月以内の選挙実施を求めました。ジョトディアはこれを受け入れ、暫定評議会が設置されましたが、彼はその議長に選出され、暫定大統領の地位を確保しました。しかし、彼の権力掌握後も、セレカによる市民への暴力行為が頻発し、国内の治安は悪化の一途をたどりました。

2013年9月、ジョトディアはセレカの解散を宣言しましたが、これに反発する戦闘員が各地で反乱を起こし、事態はさらに深刻化しました。彼は自らの大統領としての地位を安定させることができず、最終的に2014年1月10日、大統領職を辞任しました。その後、ベナンへ出国しました。

ミシェル・ジョトディアは、中央アフリカ共和国の政治史において、大きな影響を与えた人物の一人です。彼の政権は短命に終わりましたが、国内の政治情勢に大きな変化をもたらし、その後の混乱を招いた要因の一つとなりました。

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