フランソワ・ボジゼ

フランソワ・ボジゼ：中央アフリカ共和国の turbulent な道のり

フランソワ・ボジゼ・ヤングヴォンダ（1946年10月14日 - ）は、中央アフリカ共和国の元大統領であり、その生涯は同国の政治的激動と深く結びついています。クーデターによる政権掌握から、大統領としての統治、そして最終的な失脚と亡命まで、彼の足跡は中央アフリカ共和国の現代史を色濃く反映しています。

生い立ちと軍歴

ボジゼは、フランス領赤道アフリカのムイラ（現在のガボン共和国領）で、グバヤ族の子として生まれました。青年期には中央アフリカ共和国のブアールにある陸軍士官学校で学び、1969年に少尉に任官。その後、順調に昇進を重ね、1978年には当時の皇帝ボカサ1世によって准将に任命されました。翌1979年にダヴィド・ダッコがボカサ1世を追放すると、ボジゼは防衛相として政権に参加します。

しかし、1981年にアンドレ・コリンバがダッコに対してクーデターを起こすと、ボジゼは情報文化相に転じます。しかし、1982年3月、アンジュ＝フェリクス・パタセによるクーデター未遂に関与したとして起訴され、亡命を余儀なくされました。その後、1989年7月にベナンで逮捕され、投獄と拷問を受けますが、1991年12月に釈放されています。

1993年に行われた大統領選挙では、コリンバ大統領に対抗して立候補しますが、得票率は1.5％にとどまり、落選。この選挙では、決選投票の末、パタセがコリンバを破って大統領に当選しました。

パタセ大統領との関係

当初、ボジゼはパタセ大統領の支持者と見なされていました。1996年と1997年に発生した軍隊による騒擾事件では、鎮圧に協力し、自身も軍の幕僚長に昇進。パタセ大統領に反抗する姿勢は見せず、むしろ大統領に反対する動きを抑え込む役割を担っていました。

しかし、2001年5月28日にパタセ大統領に対するクーデター未遂事件が発生すると、ボジゼの忠誠心が疑われるようになります。同年10月下旬に軍参謀長の職を解任されたことが、両者の対立を決定的なものとしました。同年11月3日には政府がボジゼを逮捕しようとしたため、5日後には政府軍がリビア軍の支援を得てボジゼの拠点を攻撃。ボジゼはチャドへと逃れました。

2002年も政府軍とボジゼの勢力との間で争いが続きます。ボジゼの勢力は10月25日から31日にかけて首都バンギを攻撃しますが、失敗に終わりました。この間、パタセ政権とチャドとの間で緊張が高まり、パタセ政権を支える与党は、ボジゼを支援し中央アフリカを混乱させたとして、チャドのイドリス・デビ大統領を非難しました。

クーデターと大統領就任、そして失脚

2003年3月15日、ボジゼはパタセ大統領が国外にいる隙を突いて首都バンギを制圧し、クーデターを成功させます。パタセ大統領はニジェールの会議から帰国する途中でしたが、ボジゼの勢力が空港を掌握していたため着陸できず、カメルーンを経てトーゴへと亡命しました。

ボジゼは首相にアベル・グンバを指名し、その後セレスタン・ガオムバレを首相に任命。1995年に制定された憲法を凍結し、旧憲法を復活させる国民投票を実施し、2004年12月5日に承認されました。当初、大統領選挙には立候補しないと表明していましたが、国民投票の成功後、立候補の意思を表明。2005年3月13日に行われた大統領選挙の第1回投票では43％弱の票を獲得し、決選投票に進出。5月8日の決選投票で64.6％の得票率で勝利し、6月11日に大統領に就任しました。

しかし、2013年3月24日、武装勢力連合「セレカ」が首都に侵攻し、ボジゼはカメルーンへ出国。セレカのリーダーであるミシェル・ジョトディアが大統領に就任し、ボジゼは失脚、亡命を余儀なくされました。

フランソワ・ボジゼの生涯は、中央アフリカ共和国の政治的混乱を象徴する出来事として、歴史に刻まれています。

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