ミストラル (強襲揚陸艦)

ミストラル (L9013): フランス海軍の強襲揚陸艦

概要

ミストラル (L9013) は、フランス海軍が運用するミストラル級強襲揚陸艦の1番艦です。艦名はフランス語で「ミストラル」と表記され、地中海北西部で吹く強い北西風を意味します。DCNS社を主導とした建造で、2006年2月に正式就役、トゥーロン軍港に配備されました。

艦歴

ミストラルの建造は、2003年7月10日にブレスト工廠で艦尾部分の起工から始まりました。同年10月13日にはアルストム＝アトランティーク造船所で艦首部分の起工が行われ、その後、ブレスト工廠で艦体組み立てが進められました。2004年10月6日に進水し、2005年12月にフランス海軍に引き渡されました。2006年1月から試験航海を開始し、同年2月、正式に就役しました。

就役後、ミストラルは数々の演習や作戦活動に参加しました。2006年3月には、フランス海軍のフリゲート艦や陸軍部隊とともに水陸両用戦訓練「スケレオ演習」に参加しました。同月の遠洋航海では、地中海、スエズ運河、紅海、インド洋を航行し、ギリシャ、ジブチ、インド、トルコなどに寄港しました。

同年7月にはレバノンで発生した紛争において、フランス国民の避難支援活動に従事しました。他のフランス海軍艦艇と共にレバノン沿岸に展開し、危険な地域から多くのフランス国民を安全に救出しました。

2007年には、アメリカ海軍との合同演習に参加し、バージニアビーチで上陸訓練を実施しました。同年、フランス国内でも国民避難訓練を実施しました。2008年には、地中海でのNATO演習「ロイヤル・ミダス2009演習」に参加し、多国籍部隊との連携強化を図りました。

2009年2月から6月にかけては、ガヴィアル08任務に従事し、中東、東南アジア、そして日本にまで至る長期間の遠洋航海を行いました。この期間中にミャンマーで発生したサイクロン・ナルギスの被害に対し、人道支援活動を実施しようとしましたが、ミャンマー当局の許可が得られず、救援活動は中止となりました。

2011年には、士官候補生を乗せ、地中海、紅海、インド洋を約4ヶ月間航海しました。リビア内戦の際に、チュニジアに避難したエジプト人の本国送還支援活動に従事しました。

2017年には、グアム島周辺での4ヶ国共同訓練に参加するため、日本の佐世保基地に寄港しました。

まとめ

ミストラルは、フランス海軍の主要艦艇として、多様な任務をこなす能力を有しています。国内外の演習への参加、国際協力活動、そして人道支援活動など、幅広い活動を通じてフランス海軍の活動の中核を担ってきました。その活躍は、フランス海軍の戦力としてだけでなく、国際社会への貢献においても大きな役割を果たしています。その経験と能力は、今後のフランス海軍の活動においても重要な役割を果たすことが期待されています。

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