ミッドウェイ級航空母艦

ミッドウェイ級航空母艦

ミッドウェイ級航空母艦は、アメリカ海軍が第二次世界大戦直後の1945年から運用した艦級で、「究極の大戦型空母」とも称されます。当初は6隻の建造が計画されていましたが、最終的には3隻のみが就役しました。これらの艦は当時としては特に大型で、装甲された飛行甲板を有していたため、ジェット機の運用も可能でした。実際には1992年まで運用されており、その間に数度の改装を受けるなど、長い歴史を持つ艦艇です。

来歴

1940年から開始されたミッドウェイ級の建造計画は、アメリカ海軍がより大型で防御力の高い空母を求めた結果生まれました。設計には多くの試行錯誤があり、標準排水量28,000トンから45,000トンまで、様々な設計案が検討されました。最終的には、最大の防御機能を備え被攻撃時にも耐えうる艦が選ばれ、基本的な設計が1942年に固まりました。

設計

船体

ミッドウェイ級の船体設計はエセックス級を基にしていますが、防御機能が格段に強化されています。飛行甲板は装甲化され、日本海軍の巡洋艦との交戦に備えた側面装甲も施されました。各部の装甲厚さは、飛行甲板が89mm、水線部が左舷193mm・右舷178mm、デッキが51mm、隔壁が160mm、格納庫甲板が40mmです。また、艦底は三重底構造としており、安定性を向上させています。

機関

主機関は蒸気タービンが4基装備され、合計出力は215,520馬力に達しています。これにより、艦は高い速力を保持しつつ、重要な航行性能を有しています。艦の機関配置は、内側と外側の2グループに分けられ、それぞれの機関は丁寧に配置されています。

航空運用機能

飛行甲板の大きさは281.6メートルで、搭載機の運用効率を向上させるための設計が行われています。カタパルトやアレスティング・ギアも改良され、ジェット機の運用にも適応しています。最初に搭載予定だった機体には、F4UやF6F、SB2Cなどがありました。

SCB-110改装

1950年代に突入するにつれて、ミッドウェイ級は艦上機の大型化に対応するための改装が必要となりました。1956年に行われたSCB-110改装では、飛行甲板の拡張やカタパルトの更新、エレベーターの配置変更などが施され、大きな変化を遂げました。これにより、新世代の空母としての機能が強化されました。

1980年代

1980年代には、残る2隻の艦も改修を受け、引き続き運用が続けられました。この時期には、艦上機の更新が行われ、特にF/A-18戦闘攻撃機やEA-6B電子戦機などが搭載されるようになりました。「ミッドウェイ」は湾岸戦争にも派遣されましたが、その後退役が決定しました。一方で、もう1隻の「コーラル・シー」は長期間にわたり解体が遅れました。

現在

「ミッドウェイ」は現在、サンディエゴの博物館として一般に公開されており、多くの人々にその歴史を伝えています。海軍の艦艇の中でも、特別な役割を果たした艦の一つとして記憶されています。

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