ミッドナイトビスー

ミッドナイトビスーは、アメリカ合衆国で活躍した競走馬、そして繁殖牝馬です。2015年生まれの彼女は、競売市場を経て、2017年、西海岸のビル・スパワー厩舎に入厩しました。デビューは同年10月。初戦から2戦連続で2着と好スタートを切りましたが、2歳シーズンは勝ち星を手にすることができませんでした。

しかし、3歳シーズンは飛躍の年となりました。初戦のサンタイネスステークスを制覇すると、続くサンタイザベルステークスも勝利。そして、ケンタッキーオークスの前哨戦であるサンタアニタオークスでは、2着馬に3馬身半差をつける圧勝劇でG1初制覇を飾りました。ケンタッキーオークス本番では3着に終わりましたが、その後、東海岸のスティーヴン・アスムッセン厩舎へ転厩します。

転厩後も快進撃は止まりませんでした。マザーグースステークスを6馬身差で圧勝し、続くコティリオンステークスでは、ライバルのモノモイガールとの接戦を制し、2度目のG1タイトルを獲得しました。この勝利には、モノモイガールの進路妨害があったことが裁定で認められ、繰り上がりでの優勝となりました。ブリーダーズカップ・ディスタフでは3着と健闘しましたが、モノモイガールには届きませんでした。

4歳シーズンは、さらに充実期を迎えました。ヒューストンレディースクラシックステークス、アゼリステークスと連勝し、アップルブロッサムハンデキャップ、オグデンフィップスステークス、モリーピッチャーステークス、パーソナルエンスンステークスとG1競走を含む5連勝を達成。パーソナルエンスンステークスでの勝利は、強豪イレイトとの接戦を制したものでした。ブリーダーズカップ・ディスタフでは2着に敗れましたが、この年のエクリプス賞最優秀古牝馬に輝きました。

5歳シーズンは、新たに設立されたサウジカップに挑戦。2着に入線しましたが、1着馬のマキシマムセキュリティの薬物違反により、繰り上がりで優勝となりました。帰国後もフルールドリスステークスを圧勝しましたが、パーソナルエンスンステークスでは2着に終わりました。その後、調教中に右前脚を骨折し、現役引退を発表。引退後は繁殖牝馬として、高値で取引されました。

ミッドナイトビスーは、競走生活において幾多の困難を乗り越え、数々の栄光を掴みました。華々しい勝利の数々、そして幾度となく繰り広げられたライバルとの死闘は、多くの競馬ファンに感動を与えました。その輝かしい戦績と、繁殖牝馬としての将来性も併せ持つ彼女は、まさに稀代の競走馬と言えるでしょう。彼女が残した功績は、長く競馬史に刻まれることでしょう。

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