ミッドランド (ミシガン州)

ミシガン州中部に位置するミッドランド市は、ミッドランド郡の郡庁所在地であり、人口は約4万2千人（2020年）の都市です。市域の一部はベイ郡にまたがり、ロウアー半島の中央部に位置するミッドランド都市圏の中核都市として機能しています。

歴史

1820年代後半、ミッドランドはアメリカ毛皮会社の交易拠点として設立されました。サギノーの基地から管理され、オジブウェ族インディアンの猟師から毛皮を買い取る拠点として機能していました。その後、デトロイトのカンポー家も独立した交易拠点を設立しました。

1897年、ダウ・ケミカル・カンパニーがミッドランドで設立され、現在も世界本社が置かれています。この企業の存在は、ミッドランド市の発展に大きな影響を与えました。ダウ・ケミカルの日本・半田市への進出をきっかけに、両市は姉妹都市提携を結びました。ダウコーニング・コーポレーションやケミカル銀行もミッドランドに本社を構えています。

経済

ダウ・ケミカル社の存在はミッドランド市の経済を支える大きな柱となっています。その他にも多様な企業が立地し、安定した経済活動を維持しています。2010年には、雑誌『フォーブス』がミッドランドを「家族を育てるのに適した小都市」第4位に選出しました。これは、ミッドランド市の高い生活水準と安全な環境を反映した評価と言えるでしょう。

市政府とインフラ

ミッドランド市は市政委員会・マネジャー方式の政府を採用しています。5人の市政委員が小選挙区制で選出され、市長と副市長は委員の中から互選されます。市マネジャーと市検察官は市政委員会が指名します。

交通面では、近隣のMBS国際空港やフリント市の空港を利用できます。市内にはジャック・バーストウ市民空港があり、民間機の利用が可能です。公共交通機関としては、予約制の乗合バスサービスが利用できます。

電力供給は、ダウ・ケミカル社が所有する研究用原子炉と、コンシューマーズ電力社の火力発電所によって担われています。かつては同社の原子力発電所の建設が計画されましたが、スリーマイル島原子力発電所事故の影響などを受け、計画は中止され、その後火力発電所へと転換されました。

文化とレクリエーション

ミッドランド市は、芸術、科学、音楽など、多様な文化活動を支える施設が充実しています。ミッドランド芸術センターには、オールデン・B・ダウ科学芸術博物館や、大規模な公会堂があり、様々な公演や展示が開催されています。

ミッドランド郡歴史協会遺産公園は、地域の豊かな歴史を伝える貴重な施設です。ダウ家の歴史に関連した博物館や、ブラッドリー邸博物館、馬車庫などが含まれています。

市内には72もの公園があり、総面積は3,000エーカーを超えます。様々な規模の公園が整備され、市民のレクリエーション活動に貢献しています。シビック・アリーナには、NHLサイズのアイスリンクが2面、オリンピックサイズのリンクが1面あり、スケーターに利用されています。また、自転車モトクロスのトラックなども備えています。

ペレ・マルケット・レイルトレイルは、ウォーキング、ジョギング、サイクリングを楽しむ市民に人気です。この遊歩道は、近隣のクレア市まで延びており、チッペワ・トレイルなどの自然歩道とも繋がっています。

ダウ庭園は、ハーバート・H・ダウ家の庭園を一般公開したもので、広大な花と野菜の庭園、樹木園などがあります。

教育

ミッドランド市には、ミッドランド公共教育学区をはじめ、複数の教育機関があります。ミッドランド先進および創造的研究のアカデミー、ダベンポート大学、ミシガン州立大学（研究施設）、ノースウッド大学、デルタ・カレッジ・ミッドランド・センターなど、多様な教育機会が提供されています。

その他

ミッドランド市は、その事業に優しい環境と高い生活水準から、数々の賞を受賞しています。雑誌『ビジネス・ファシリティズ』による「人口20万人以下の都市圏で経済成長10傑」第3位や、『フォーブス』誌による「家族を育てるための最良小都市」第4位など、高い評価を得ています。また、自動車盗難発生率の低さも特徴です。

著名な出身者には、メジャーリーグベースボール監督のテリー・コリンズ氏、女子プロテニス選手のメレディス・マグラス氏などがいます。

メディアとしては、ミッドランド・コミュニティ・テレビジョン・ネットワーク、複数のラジオ局、そしてミッドランド・デイリー・ニューズがあります。

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