ミツマタ属

ミツマタ属（Edgeworthia）について

ミツマタ属（学名：Edgeworthia）は、ジンチョウゲ科に分類される植物の属の一つで、和名では三叉属または三椏属と表記されます。この属は、新しいAPG植物分類体系においてアオイ目に含まれています。

特徴

ミツマタ属の植物は、落葉性またはほぼ常緑性の低木であり、枝が密に分かれるのが特徴です。葉は長楕円形で、縁は滑らかで全縁であり、絹のような毛で覆われています。葉は互い違いに生えます（互生）。

花は特徴的な頭状花序を形成し、苞に包まれています。花序は長い柄を持ち、枝の先端（頂生）または側面（側性）に現れます。花は両性で、4数性（花弁のように見えるのは萼片）であり、実際の花弁はありません。萼筒は厚い紙のような質感で、絹毛に覆われており、萼裂片は瓦のように重なり合います。雄蕊は8個あり、2列に並びます。子房は柄がなく、毛が生えており、花柱は長く、柱頭は棍棒状になります。果実は乾燥しており、萼筒が残ったまま果実を包みます。果実の中には紡錘形の種子が入っています。

茎と葉の維管束には、木部の内側に繊維が多く含まれています。

分布と種

ミツマタ属の植物は、中国、ミャンマー、ネパール、インドといった地域に4種が知られています。日本では、ミツマタ（Edgeworthia chrysantha）が慶長年間に渡来し、和紙の原料として栽培されるようになりました。栽培されたものが野生化している例も見られます。また、園芸品種も存在し、観賞用としても栽培されています。

日本の帰化種

ミツマタ _Edgeworthia chrysantha_ Lindl.
シノニム：_Edgeworthia papyrifera_ Siebold et Zucc.
シノニム：_Edgeworthia tomentosa_ (Thunb.) Nakai

外国の種

_Edgeworthia eriosolenoides_ K.M.Feng & S.C.Huang
ヒマラヤミツマタ _Edgeworthia gardneri_ (Wall.) Meisn.
_Edgeworthia longipes_ Lace

参考文献

佐竹義輔他編『日本の野生植物 木本Ⅱ』、1989年、平凡社
大場秀章編著『植物分類表（初版第3刷訂正入）』、2011年、アボック社
米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名−学名インデックス」（YList）
The Plant List


ミツマタ属の植物は、その独特な形態と歴史的な利用価値から、植物学、園芸学の両面で注目される存在です。

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