ミニ14

ミニ14（Mini-14）

ミニ14は、1973年にスターム・ルガー社から発表された自動小銃です。この銃の外観は、1959年にアメリカ軍に採用されたM14小銃に似ており、設計はそのデザインを基にしています。主に民間市場向けに販売されていますが、一部の軍や警察機関でも使用されることがあります。

概要

名前の通り、ミニ14は小型化されたM14の特性を持つ自動小銃です。このモデルは、単純な機構設計に基づいていて、その結果として製造コストが抑えられ、故障が少なくて手入れが容易です。この銃は、高い命中精度も誇っており、主にプリンキング（趣味の射撃）やランチライフル、さらには家庭防衛用ライフルとしての人気が高まっています。

スターム・ルガー社の創業者ビル・ルガーは、「M1カービンに似た .223レミントン弾を使用する縮小版のM14」という考えを持っていましたが、完成したのはベトナム戦争の末期であり、軽量小型のM16小銃が採用された後でした。そのため、ミニ14は民生用ライフルとしての道を歩むことになりました。

設計には、ルガーだけでなく、銃器設計のエキスパートであるロイ・ジェームズ・サリバン技師も参加していました。コスト削減を目的に、金属部分は鋳造やプレス加工で作られ、銃床には安価な硬材が使用されています。もともとの価格は約200ドルと、非常に手頃でした。内部の機構はM14とは異なり、回転ボルトは新たに設計され、ガスピストンはM1ガーランドのデザインを参考にしています。

標準では5連発の着脱式箱型弾倉が付属し、10連発および20連発の弾倉もオプション販売されています。法規制により一時これらの大型弾倉の生産は中止されましたが、アサルト・ウェポン規制法が終了した後に再開されました。ただし、M16用のSTANAGマガジンとは互換性はありません。

ミニ14は様々なストック材質や仕上げが選べるため、特にアフターマーケットの部品が豊富で、ユーザーが自分のスタイルに合わせてカスタマイズすることが可能です。この点が、このライフルの人気の一因とも言えます。デザインはクラシカルで民生用ライフルに見え、周囲に威圧感を与えず、警察などの公的機関にも好まれています。

1982年には、ランチ・ライフル（Ranch Rifle）が登場し、改良されたリコイルバッファシステムや、弾薬がスコープに接触しないよう改良されたボルトストップが特徴です。2000年代の初頭には生産設備が刷新され、全モデルに新しいスコープマウントが取り入れられました。

バリエーション

ミニ14にはいくつかのバリエーションが存在します。最初のモデルであるミニ14は、一般的な5.56x45mm NATO弾または同寸法の.223レミントン弾を使用し、オプションで異なる弾倉が用意されています。

• - ミニ30: AK-47の弾薬である7.62x39mmを使用するモデルです。
• - AC-556: フルオート機能が追加されたモデルで、軍や警察向けに設計されています。
• - AMDカービン: フランス内務省向けに製造されたバリエーションで、特に街中での使用を考慮して設計されています。

さらに、様々な上級カスタマイズ用のストックやアクセサリーも販売されており、個々のニーズに合わせて選ぶことができます。

使用国

ミニ14は、多くの国の軍とは異なり、警察や一部の軍組織によって使用されています。特にフランスではAMDカービンが採用されており、オーストラリアやアメリカ合衆国でも警察の特別部隊などで利用されています。特にアメリカでは、民間向けライフルとしての人気もあって多くのユーザーに愛され続けています。

このように、ミニ14はその特異なデザインと多様なバリエーションにより、広範な用途やユーザー層を持つ自動小銃として、現在でも重要な位置を占めています。

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